【突発性難聴☆闘病記録】(15)
★2008年4月28日(月)★
<治療開始17日目>
今日は耳鼻科の受診日だった。
22日(火)以来なので、ちょうど1週間ぶりになる。
GW最中の月曜日ということもあり、
待合室は患者さんであふれていた。
雑誌を広げ、順番を待ちつつも、
頭の中は他のことでいっぱいいっぱいで、活字が目に入らない。
「今日こそ、絶対に先生に話さなければ・・・」
ということを、自分のなかで、何度も確認する。
これまでのように、
先生のペースに巻き込まれないよう、
自分の症状をきちんと伝え、
不安に思っていることを全部話さなければと思っていた。
しつこいと思われても、機嫌を損ねても、
絶対に話すつもりだった。
何故かというと・・・
それは・・・
毎日の闘病記録に書いているように・・・
4月12日(土)から、近所の森山耳鼻科(仮名)にかかり、
突発性難聴と診断され、
治療を続けているのにも拘らず、
自分としては、
まったく、改善の兆しが見えていないことに不安を感じていたからである。
昨日も書いているが、
私のこの症状は、
「突発性難聴」ではないのではないだろうか?
「誤診」ではないだろうか?
「別の病気」ではないだろうか?
「間違った治療」を続けているのではないだろうか?
こんなことが頭の中を混乱させていた。
H病院(総合病院)でセカンドオピニオンを実施して、
そこの耳鼻科でも、聴覚検査をして、
「『突発性難聴』だと思われます」と診断を受けた。
今、私がかかっている森山先生のこともご存知で、
「信頼できる先生です・・・」とも言われた。
姉(姉の夫は養子で、私の実家の病院の跡取り)が、
医師会の名簿で調べてくれて、
森山先生は、○○大学出身で、
臨床経験豊富なドクターということも知らせてくれた。
だから・・・
私が、それまで抱いていた「不信感」を全部取り除き、
森山先生を信頼して、診ていただこうと心に決めていた。
でも・・・・・・・・
最初からずっと(ブログに記録を残しているように)、
この森山先生の診察に、一抹の不安を感じていたことも確かである。
先生の診断(聴覚検査結果のみで判断)と、
私の症状の間にギャップがあり、
私しか分からない自分の症状を訴えているにも拘らず、
本気で聞いてもらえず(先生の頭の中は突発性難聴のことしかない)、
「それは・・・わかりませんねー」と上の空。
★このことは、12日、14日、17日、22日の闘病記録に、
詳細(先生と私の会話)に書いています★
「○○さま~」
私の名前が呼ばれた。
診察前の聴覚検査である。
今日で5回目となる聴覚検査。
いつも同じ看護師さんに検査をしていただくので、
大分親しくなり、
笑顔で挨拶して、入室した。
無響室で、ヘッドホンをつけて、ボタンを渡され、検査が始まる。
「では、左側(正常)から始めます」
最も緊張する時間。
目を閉じて、聴こえてくる音に集中する。
・・・ん?今日は、音があまり聴こえてこない。
ボタンを押す回数が少ない・・・と思っていたら、
2、3分して、無響室のドアが開き、
「聴こえないですか?」と看護師さんが声をかけられた。
「はい・・・聴こえにくくて・・・・・」
看護師さんは、ヘッドホンを自分の耳にあてて、
ヘッドホンのテストをされた。
(故障と思われたのか?←結局、故障ではなかったようだ)
「では、また始めます」
「はい」
小さな、小さな音を聴き取るのはほんとに難しい。
聴こえてくる音を確認できたとき、ボタンを押した。
5分くらいして、ドアが開き、
「次は、右耳(異常)を検査します」
「はい」
また、目を閉じて、聴こえてくる音に集中した。
こうして、聴覚検査が終了した。
「中待合でお待ちください」
「はい」
10分くらいして、診察室に呼ばれた。
診察室に入り、挨拶をしたとき、
森山先生は、カルテに目を通しておられた。
私という患者が、どんな症状で、どんな病名で通院しているのか、
確認しておられるのだと思った。
沈黙があったので、私の方から、
「耳鳴りが治らなくて・・・」
「あぁ・・・そうですか・・・
今日の聴覚の検査結果は、ちょっと悪いですねー」
カルテに綴じた今日の検査結果を見ながら言われた。
「えっ!?」
先生は、その聴覚検査のグラフを私に示し、
「こちらが、今日の結果ですが・・・
今日は、左耳(正常)も前回より悪いですし、右耳も悪いですねー」
「えっ・・・」
「聴こえにくいですか?」
「そうですね・・・室内の会話はほとんど支障がないのですが、
やはり、外出時は、今までと同じように、
右側から声をかけられると聞き取りにくいです。
そして、電話の音、インターホンの音も、右耳では全然聴こえません」
「そうですか・・・・」
先生は、今日の聴覚検査結果が意外だったようで、
かなり驚いておられる。
今まで、ずっと、
突発性難聴だということを信じて疑わなかったみたい。
あれだけ、私が、
毎回、「聴こえない」「耳鳴りも改善できていない」
と言い続けているのに・・・
何故?????
「この3、4日、耳鳴りの音に変化があり・・・
水道の水の音、ドライヤーの音、掃除機の音、
カーテンを開ける音などに右耳が「ビビ」と反応して、
『ジリジリ、ジリジリ・・』という耳鳴りがするのですが」
「他のときはどうですか?」
「いつもは、ジ~ン、ジ~ンと鳴っています」
「耳鳴りの大きさは、日によって変化はありますか?」
「いえ・・日によって異なるのではなくて、
一日の間で、変化があり、
朝晩は割合に静かで、
動いたり、会話したりすると、激しくなります」
「うーーん・・・・
1度、頭の検査をした方がいいかもしれませんね」
「えっ!!!頭ですか?」
「頭の検査」と言われた恐怖と、
この数日間の先生とのやり取りを思い出して、
「やっぱり!!」と裏切られたような気持ちになった。
これって、やはり・・誤診だったの!?
私の今までのイヤな勘が当たったの?
そんな憤りで・・頭が真っ白になる。
「えぇ・・MRIです。
このように、聴覚検査が良かったり悪かったりする場合、
他の病気が考えられます。
稀に、『聴神経腫瘍』などがあります。
・・・が、ほんとに稀なので・・・検査をしてみないとわかりません」
「『腫瘍』ですか?
私は、乳癌と肺癌をしているので、
『腫瘍』ということには非常に敏感で・・・すごくショックなのですが・・・」
「でも、聴神経腫瘍は良性の腫瘍ですから、
乳癌、肺癌とは関係はありません」
「・・・手術になるのですか?」
「手術の方法と、放射線を当てる方法があります・・・
でも、滅多にない病気なので・・・」
先生はいまだにその病気ではないと言わんばかり。
今まで、「滅多にない病気」をしてきている私にとって、
そんな言葉は、気休めにしか聞こえなくて、
どーでもよかった。
「では・・・『突発性難聴』ではなかったということですか?」
「そうですね・・・
突発性難聴は、良くなり始めると、改善される一方なので、
こうして、悪くなることはないのです」
「そうなのですか!
では、初めから、突発性難聴ではなくて、
聴神経腫瘍の疑いもあったということですか?」
「そうですね・・・その可能性はあったということです」
「私の養生の仕方が悪かったとか、
治療が合っていなかったということが原因ではなくて、
最初から、聴神経腫瘍の可能性もあったということなのですね?」
「そうです・・・」
「・・・・・・・・・」
「これから紹介状を書きますから、
○○脳神経外科の方で、検査をしてください」
「えっ!!脳神経外科ですか!?」
「はい。一度検査をしたほうがいいでしょう。
聴神経腫瘍はめったにない病気なので、
もし、それでなかった場合は、他のことを考えましょう」
私は、だんだん怖くなってきた。
耳鳴りから始まったこの病気。
「耳鼻科」から「脳神経外科」の領域に??
いったい、何の病気なのだろう?
不安ばかりが募ってくる。
それと同時に・・・
この18日間の治療が無駄だったように思え、
なんだか、悲しくなった。
ステロイドまで大量に服用したのに・・・
安静にも気をつけて、母や姉妹との電話の会話も減らして・・・
外出もなるべく控えていたのに・・・
前回(22日)の検査結果で、
先生の言われることと、私の症状にギャップがあり、
絶対に変だなぁと思った。
自覚症状として、良くなっているはずないのに、
データー上だけで判断して、
「良くなっています。聞こえるでしょう?」
と、一点張りだった先生。
私がいくら症状を訴えても、聞き入れてもらえなかった。
この地域では、森山耳鼻科が流行っていて、
先生がいくら忙しいとはいえ、
患者の一人一人が訴えることには耳を傾け、
きちんとした診断をくだすべきではないだろうか?
患者の中には、滅多にない病気もいるはず。
多くの場合が突発性難聴であっても、
1万人の中に1人でも、1千万人の中に1人でも、
危ない病気がいるとすれば、
それを診断するのが、プロの仕事ではないだろうか?
聴覚検査結果のみを診断材料とし、
患者の申告には耳を傾けないことから、
今回のような誤診が生まれる。
いつも母が話すには(父が開業医だったことから)、
「お父様のころのお医者さまは、誠意をこめて診療していた。
損得なしに、患者さん本意に考えて診療していたけれど、
今の先生方は、マニュアル的な診療で、
誠意が伝わってこない」って。
ほんとにそうだな、と、今回のことから、私も感じる。
私のまわりは、ほとんどが医療従事者。
姉妹のだんな様も、その子供たちも、そのパートナーも、
私の息子も・・・
父のような医者になってほしいと、心から願っている。
森山先生はプロの耳鼻科医師。
私自身が、検査結果に疑問をもち、
「耳鳴り」や「電話の声が聞こえない」こと、
「外出先では、右耳の聞こえ方が悪い」ことを訴え続けたときに、
何故、聴神経腫瘍や他の病名が頭をかすめなかったのか?
素人の私でさえ、
ネットなどで研究して、
「ちょっと症状が違うのでは?」と疑うこともあった。
医師は、患者の申告により、
検査して、病名を診断する。
この「闘病記録」の中で、
医師と私の会話を、毎回、詳細に書いているけれど、
この森山先生は、私が訴える症状を聞き入れてくださらなかった。
それは、医師として、最大のミスであり失格だと思う。
≪今日処方された薬≫(10日分)
★メチコバール500 1日3回 毎食後(朝1錠 昼1錠 夕1錠)
(ビタミンB12。末梢神経の働きを正常にする薬)
★アデホスコーワ顆粒10% 1日3回(朝1包 昼1包 夕1包)
(血液の流れをよくする薬)
5月1日(木)12時~
○○脳神経外科にて、MRIの検査となった。
☆★=☆★=☆★=☆★=☆★=☆★=☆★
4月12日、「突発性難聴」と診断された私ですが、
また、振り出しに戻りました。
今は、なんの病気かわからない不安定な状態です。
☆この闘病記のタイトルもどのように変更するか、未定です☆
今日、森山先生から「疑い」があると言われた
「聴神経腫瘍」の病気について、
少し、書いておきます。
≪聴神経腫瘍とは?≫
聴神経から発生する脳腫瘍の一種です。
神経を包んでいる膜・鞘(さや)の細胞から発生しますが、
ほとんどが良性の腫瘍であるため、
脳以外の他の臓器に転移したり、
1~2ヶ月で急激に大きくなることはありません。
しかし、腫瘍はじょじょに成長し大きくなると脳を圧迫するようになり、
歩行障害・意識障害などをきたし、
最終的には生命にかかわってくる病気です。
いくらほとんどが良性とはいえ、
腫瘍が増大してくると、怖い病気です。
≪聴神経腫瘍の症状≫
①初発症状
★ 聴力低下(電話・人ごみでの会話が聞き取りにくい)
★ 耳鳴り
★ めまい
②腫瘍が増大したとき(3cm以上)
★ 顔面のしびれ・顔面麻痺・歩行時のふらつき
★ 味覚異常・水頭症の合併による意識障害など。
≪診断方法≫
★ 数ミリの小さな聴神経腫瘍はMRIでなければ写りません。
≪治療方法≫
★ 開頭手術
★ ガンマナイフ(放射線治療)
★ 経過観察(極小さな腫瘍、高齢者)