月と言えば・・ 実家のお母さんが、
書道のてんらん(展覧)会に
月をテーマにした書を
出品したので、
クリンたち、見に行きました
本人・80代に入り、「もう好きなものしか書きたくない」
という
心きょう(境)・・
今回は、お気に入りの、
きたはらはくしゅう(北原白秋)の詩
を 書いていました
北原白秋、といえば、
大正モダンを けんいん(牽引)した
ロマンチック系・詩歌のたつじん(達人)・・
その彼による、めずらしく、日本ぽいフンイキが立つ、
月の詩です
(「孟宗の月」だって バタくさい・イメージのつよい北原白秋にしては やけに東洋チックです)
~月光微韻(げっこうびいん)~
月の夜に
雫するもの
霽れやらぬ椎の狭霧(さぎり)
月の夜の
星の淡さ
見え来る声の幼さ
蝶の飛ぶ
水田明り
その末は
月の夜の海
そよかぜにも 小竹のゆるるか、ゆるるか
月の夜の雀よ
星よりも
ほのかなものは
みどり児のほほゑみ
ついたち二日の月
月照る野路の明さにて
など啼きやまぬ
鶉よ
ありありと
現はるる風、
夜のふけの孟宗の月
お母さんは、カッコよく見えるように、かってに
じゅんばん(順番)を かえて
書いていて、
「月の書を書きたい人には、おすすめの題材ね」
なんて 言っていましたが・・
もとの詩は
こんな・ブツ切れの「意味不明」じゃなくて、
じょじょう(抒情)ゆたかに、
もっと、秋・・
月をめでる・これからの季せつに、
思い出す人が
もう少し・多くいても、いいんじゃないかな?
って
惜しく 思いました。
しずかな夜に、
(ビィィ~~~~ン・・)←微韻
って、
月光の音がしてくるような 詩です
(次回、<芸術の秋>もうひとネタ いきます)