クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

濹東綺譚(映画・感想)~向島散歩・5

2024-02-19 | クリン江戸散歩

隅田川のほとり(墨堤)と水戸街道の間に、

「鳩の街通り商店街」という通りが あり、

クリンたち🐻、この通りにある「古民家カフェこぐま」っていうお店で ランチしたかったのですが

この日は、うっかりお休みでした。

(古民家っていうよりは長屋ですけど、この建物の中でお食事したかったのです。

人気洋食店です

 この鳩の街ってさ、吉行淳之介の芥川賞作品の舞台になっているんだよね。

昔、赤線地帯って呼ばれていた場所で・・」

と、

やにわにチットが 語りはじめました。

 今日、おり立った東向島は、

かつて「玉ノ井」と呼ばれていた・有名な色街で、

川の向こうの吉原よりも 

ふだんづかい(?)で たいへん人気があったそうです。

でも、太平洋戦争で被災して🔥

 玉ノ井の人々はすぐ近くのこの地に移って来て、戦後、営業を始めたらしい。

「鳩の街」というネーミングは そういう・・Come on , baby  America な

オトナの事情に、実は由来している。

そういう歴史を知ってしまうと 少しさびしい一角ですが・・🕊

 この角にあった「ゆき」と名づけられた美容院を見て、

ある映画を ふと・思い出しました。👀

『濹東綺譚(ぼくとうきだん)』です

昭和を代表する作家・永井荷風の小説を 

映画にしたもので🎥

そもそも、荷風が新聞に『墨東綺譚』を連載してから、

この辺は、ぼくとう(墨東)と呼ばれるように なったんだそうです

 それほどまでに、荷風の代表作ですが・・

内容は・・

 

ある作家が、

娼婦のお雪に出会い、

ハマる。

 

という・・

浅草~玉ノ井をテリトリーとしていた永井荷風の、

実に完全なる私小説

それを

津川雅彦(永井荷風役)と新進女優(お雪役の墨田ユキ)に、どエロく演じさせた

のうみつな映画でした。

 クリンたち🐻👧、まだ10代のころに これまた・うっかり、テレビ放送で この映画を見てしまい👀

(こ・・こういう世界があったんだ

と、軽くショックを受けました。

が・・

 

そこに描かれている、

朱と白と

よいやみ(宵闇)の世界は

 

イメージしうる

戦前の紅灯の巷(こうとうのちまた)そのもので、

画面上でくりひろげられる・タブーに、目がはなせなかったのを 

おぼえています。🐻👧

とくに、

50代の、ただでさえ・脂の乗りすぎている津川雅彦さん(荷風)が、

透けるような白い肌のお雪さんに 食らいついているシーン。

それは、

グロテスク以外の 

何物でもありませんでしたが・・

 

そんなシーンを

煌々とした光のもと

みずみずしく 見せていた、

しんどうかねと(新藤兼人)カントクの感性

そして、画面(えづら)へのこだわりを

まぶしいほどに かんじました。



旧・玉ノ井地区には、

今でも時々、小説に書かれた場面を探しにやって来るファンが いるそうですが

美しかった、お雪さんの幻影を 求めて 歩いているのかなあ・・

なんて、

まじめに 思ったりします。

 

(※ちなみに、こっちの鳩の街じゃなくて、東向島の駅の反対側の話です

思い出でした~🌈

 

古民家カフェこぐま、行きたかったなあ~🐻

 

つづきます)

 

 


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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
くぁんみぃさまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-25 11:38:31
そうそう✨そうですよね!!🐻
津川雅彦さんもですが、そのお兄さんである長門裕之さんも、お年を召されてからの方が味が出て(でもえぐさは消えて)みりょくが増した俳優さんかと思います💎⤴✨
先日「黒革の手帳」の再放送をみていたんですけど、津川さんみたなフンイキの人がいないと松本清張ドラマなんかは成立しないなあって・・

おひげのそりあとにまで着目するくぁんみぃさまの視点がすばらしいですっ!!
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Unknown (くぁんみぃ♡)
2024-02-25 10:05:06
クリンさんっ♡ おはようございますっ♡

津川さん。。。 懐かしい。。。
そして、本当にエロくて、ギラついた役者さんでした。
剃った髭の痕が青くて、そこが、また…。
(私は、受け付けられませんでした…。)
こういった役は、津川さんには、うってつけだったような気がします。
津川さんは、年老いてから、とても、柔らかい笑顔を見せてくれるように、なりましたね。
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Unknown (クリン)
2024-02-20 12:07:24
ユミさんへ🐻💛

なんか少し引っかかる店名なんだけどね💦
お正月なので休みでした⤵️
また行けるといいなあ〜🌸
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Unknown (ユミ)
2024-02-20 10:49:15
古民家カフェこぐま、
うーん、気になります!
こぐま、こぐま、
クリンさん、また行ってください!!
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りぃさまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 20:41:36
同行したお友だちのジェマちゃんも、うちのチットから玉ノ井のがいよう(概要)の説明を受けて、「吉原の娘たちよりもかわいそう」っていうようなことを言ってて・・⤵

津川さん、この映画では冒頭から飛ばしてました💨
最初にお雪じゃない妾とのからみシーンが出てくるんだけど、あまりにもリアル!!👀
(お雪にかけて「墨田ユキ」にしたんだろうって思いますね🐻
本当にお雪役は墨田さん以上に演じられる人はいない!!この映画の成功の90%を墨田さんが占めてます💎✨✨
あれからクリンたち、永井荷風=津川雅彦で固定しちゃった・・うう)
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くりまんじゅうさまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 20:34:01
めっちゃ・完ぺきな映画レビューをありがとうございます🍀✨✨✨
すばらしいです✨さすが、クリンたちのくりまんじゅうさま🐻💛💛💛✨✨✨

そうですよね・・なんだかぼかしもボワンってかんじでしたが、クリンたち、すみだユキさんの美しさが何十年経っても忘れられず・・
日中、津川さんとユキさんが連れ立って浅草寺?かどこかにおまいりするシーンがあり、その時はユキさんもふつうの着物に耳の横に白い花を飾ってかわいらしく装っていましたが、その純真なかんじさえする花のような美しさにも目をうばわれました👀✨✨✨
ほかにもたくさんの美しい女優さんたちがいらっしゃいますが、墨田さんのあの映画における美しさは、まあ絶品の部類にまちがいなく入るっていうか「こんなレベル高い女がいたら、わざわざ吉原まで行かないだろうね」ってチットも言ってて・・
そういう意味においても悲哀をかんじましたね。お雪レベルの美女が玉ノ井にいるというかなしさです・・

テレビ放送はBSじゃなかった気がしますがどうだったんだろう??地上波で・・でもゴールデンタイムではなく、昼間?か夜中?かのどちらかでした💡
名作だからBSで再放送してほしいです💎⤴✨
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Dr.kさまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 20:18:39
おっしゃる通り(ここは下町なんだな)とかんじる・ずいしょ(随所)がありましたよ🐻💡
向島界わいって、どこに行っても道が曲がりくねっていて、しかも家屋が密集しており、道の先を見通すことができないんですよね👀
でもそういうった・ごちゃごちゃしたところがとても面白くかんじました~✨

永井荷風は百花園にもよく遊びに来ていたそうですよ⤴✨🎶🌼
「荷風の俳句を描きつけた隅田川焼の壁掛けがのこっている」と、百花園の女将さんが書いたエッセイで読みました~🌈✨✨
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Unknown (りぃ)
2024-02-19 20:01:12
それぞれの街にはそれぞれの歴史があるのですね。
でもクリンちゃま・・・ふだんづかいって( ̄▽ ̄;)

津川雅彦さんの色気は、誰でも出せるものじゃない
よね~。
ある程度の年齢になっても褪せてなかったものね。

墨田ユキさんは映画ありきの芸名かな???
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クリンちゃんへ (くりまんじゅう)
2024-02-19 19:42:25
↑最後の写真の家 雰囲気があっていいですね このままずっと残してほしいです。
新藤兼人監督の『墨東綺譚』は20年近く前に映画館で観ました。
始まってすぐに津川雅彦さんの荷風と 娼婦雪の墨田ユキさんの激しいカラミがあって
それが1992年作ですのに ぼかしが甘い?のか色彩もはっきり見え驚きましたが 今から思うとあれは
真っ白な墨田さんの肌を より美しく魅せるためぼかしが甘かったのかも?と思います。

墨田さんは顔をつついてないと思われる涼しげな昔風美人で あの顔であえぐシーンはとってもエロかったです。
そうですかあの作品をTVで放送してましたか BSPかな? やるねNHKです。 
場所は玉ノ井でしたね この作品には私の好きな杉村春子さんも出ていましたね。

映画 墨東綺譚よりさらに36年も前の1956年 溝口健二監督の遺作になった『赤線地帯』もBSPでやっていました。
舞台は吉原だったと思います。この時代に赤線で働く女は 家庭の事情でお金が要るため 仕方なく苦界に身を沈める
という時代で しかし国の方針で間もなく赤線が廃止されるらしいから 沢村貞子さん演じる置屋のおかみさんが
これからの生き方をあんた達も考えなさいよと説教する 時代の変革も取り込んだ作品でした。

『赤線地帯』は白黒映画でしたが 主演の京マチ子さん・若尾文子さんが とにかく美しかったです。バックに流れる音楽も独特でした。
クリンちゃん 懐かしい映画を思い出させてくれて ありがとうございます。
(墨東綺譚の 墨にさんずいが付いた字を私はよう出しませんので さんずいなしでごめんなさい)
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クリンさんへ (Dr.K)
2024-02-19 19:39:50
永井荷風の『墨東綺譚』は、昔々、読んだことがあるような気が、、、。
もう、すっかり、内容は忘れてしまいましたが、、(~_~;)

東京の、このような、下町のゴミゴミした光景(失礼、、)は、年寄りには懐かしいですね(^_^)

「古民家カフェこぐま」のランチは、きっと美味しいことでしょう(^-^*)
是非、リベンジを、、、!
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けいこさまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 18:40:06
駅名、玉ノ井のほうが良かったですよね!
業平橋駅の改称も、、非常に大きなショックを受けたものですが・・🌀🐻
東武線って野田線もアーバンパークラインに改名しているし、なんかおかしいなってセンスが・・

お友だちとの待ち合わせ時間の少し前に到着し、チットと東向島駅向こうを歩きました💡
もう少し「鐘ヶ淵駅」方面に行かないと、昔の風情は見られないようなかんじでしたよ💡
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Unknown (keiko(けいこ))
2024-02-19 18:05:56
玉ノ井っから東向島駅に!
そういえば スカイツリー駅も業平橋駅、、どちらもカッコ書きされてますね。

こんにちは😊クリンさん〰。
玉ノ井駅のとき、、何度か通ったけれど 上っ面のことし知らないのになぜか下を向いてた。 
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maritosi1152さまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 18:04:54
まりさまは永井荷風ザセツしないと思います!!🐻
うちのチットが唯一全作品せいは(制覇)したのが、小説家では村上春樹と永井荷風でしたから!!
荷風は短編~中編がおすすめです💡
妾と妾の争う話とか・・ちょっとアレなんですけど、谷崎潤一郎などとは異なる、独特の「美意識」をかんじます💎
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遅生さまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 17:59:32
ちせいさまあ~~🐻🍀✨✨✨
クリンもこう見えてイイ大人なものですから、ついつい大人の一面をブログにさらしてしまいました🌞
商店街を歩いている最中、民家の前に置かれた金魚の水そうにチットが目をとめまして・・👀
そこからクリンや友だちのジェマちゃんに、街のいわくを語り始めたのです💡
しかしその話をしている時に民家の2Fから住民のおじさまがこちらを見ているのにジェマちゃんが気づき・・
あまりそういう話って現地でするもんじゃないなあと反省した次第です・・⤵
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うばゆり3さまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 17:54:23
ゆりさまあ~~🐻🍀✨✨✨
クリンたちもこのたび吉行淳之介の『驟雨』とかを読んでみたのですが、今回はレビューはせずに、長年温めてきた思い出の『墨東奇譚』映画の話でまとめてみました💡
ゆりさまの宮城まり子さま本のレビューを楽しみにしております💛

古民家カフェこぐまは、昭和2年に建てられた五軒長屋のひとつなんだそうで、どういう間取りか見てみたかったのですが・・⤵
でも、ランチは思わぬ良い天ぷら屋さんに入れましたよ⤴✨
(昨日の光る君へはキュンキュン成分が足りなかったと不満なクリンより🐻・・)
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ZUYAさまへ🐻💛 (クリン)
2024-02-19 17:48:53
昔あるあるですよね⤴✨令和のファミリーたちにもそういう気まずさを、ぜひ経験していただきたいのですが🎶
伊丹十三作品にも津川さんがよく出演なさっていましたよね💡「マルサの女」が好きでした💛

そうそう🐻東向島からてくてく歩いて来まして・・向島散策の途中で鳩の街商店街に寄りました~(このあと向島のお寺をめぐってさらに浅草にも行きました~👍)※3万歩以上歩いたと思います!
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Unknown (maritosi1152)
2024-02-19 17:40:28
色街にも、グレードの様なものがあったのね。

途中挫折するかもだけど、永井荷風に手を出してみるかな、、、
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クリンちゃんへ (遅生)
2024-02-19 16:26:02
いいですねー。
長屋風の古民家カフェで食事した後、いわくありげな下町をブラブラ・・・
一味違う大人の休日ですね。
道端に点々と置かれた自転車が、雰囲気だしてます(^.^)
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吉行淳之さんも永井荷風さんのも (うばゆり3)
2024-02-19 16:07:54
こんにちは。

本が大好きなのに、案外小説は読んでいないんですが・・・
いい年をして(恥)ああ~赤線とか聞いたことあったな~吉原の話も聞いたことあったな~なんて思い出しました。

古民家カフェこぐま!またリベンジですね。

でね、宮城まりこさんの『淳之介さんのこと』という本読む予定で用意してあるんです。ブロ友さんに紹介されて・・・
愛とは何かを考えさせてくれるって・・・

ずれまくっているコメントでお詫びをば!
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あはは... (ZUYA)
2024-02-19 16:03:10
楽しいリポートありがとうございます。お陰さまで幼少の頃、家に一台しかテレビが無く、親と観ていて“おっとっと”なシーンになると気まずい雰囲気になったのを思い出しました

未だにはっきり覚えているのは伊丹十三監督の「お葬式」...

閑話休題。

東向島だと鳩の街商店街はちょっと遠いですよね。私は曳舟駅から訪れたことがあります~
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