みずみずしい盛りの花は、もちろん良いけれど、
枯れたものも好きだ。
ねこじゃらしの、さらさら揺れる穂。
晩秋の野山で天然のドライフラワーになった花。
朴の木の大きな落ち葉や、あじさいの枯れ花が、
ひと冬かかって形を保ったまま葉脈だけになったのなど、
とても味わいがあって心ひかれる。
どんぐりや松ぼっくり。かたい殻や莢につつまれた種。
乾いたもの、枯れたものは、もうそれ以上変化しない。
安定した状態だから安心できるのかもしれない。
そういえば貝殻も好きだ。二枚貝も巻貝も。
波にさらされて、色あせ、カドがまるくなり、
生き物だったことをすっかり忘れているところが良い。
貝殻好きをネクロフィリア(屍体愛)的だと言ったのは
澁澤龍彦だったかと思うけれど、
たしかに貝殻は貝の死骸、骨の部分だ。
じゃあ骨が好き?と聞かれれば、好きかもしれない。
ドライフラワーだって、植物のミイラといえばそうだし。
お化けの中でどれかひとつ選ばなきゃならないときは、
(そういうことがめったにあるとは思えませんが…)
迷わず骸骨にする。あれがいちばん気持ち悪くない。
ミイラ男は、まだ生っぽさが残っているから駄目。
骨は白ければ白いほど好ましい。
しかし、白くてもばらばらの骨には、なぜかさほど魅力を感じない。
完璧さが欠けているからかもしれない。
では骨格標本のように組み立てたらどうか、というと、
それはそれで科学的すぎて面白くないような…
持ち帰って飾っておきたい、という気にはならないのである。
枯れたものも好きだ。
ねこじゃらしの、さらさら揺れる穂。
晩秋の野山で天然のドライフラワーになった花。
朴の木の大きな落ち葉や、あじさいの枯れ花が、
ひと冬かかって形を保ったまま葉脈だけになったのなど、
とても味わいがあって心ひかれる。
どんぐりや松ぼっくり。かたい殻や莢につつまれた種。
乾いたもの、枯れたものは、もうそれ以上変化しない。
安定した状態だから安心できるのかもしれない。
そういえば貝殻も好きだ。二枚貝も巻貝も。
波にさらされて、色あせ、カドがまるくなり、
生き物だったことをすっかり忘れているところが良い。
貝殻好きをネクロフィリア(屍体愛)的だと言ったのは
澁澤龍彦だったかと思うけれど、
たしかに貝殻は貝の死骸、骨の部分だ。
じゃあ骨が好き?と聞かれれば、好きかもしれない。
ドライフラワーだって、植物のミイラといえばそうだし。
お化けの中でどれかひとつ選ばなきゃならないときは、
(そういうことがめったにあるとは思えませんが…)
迷わず骸骨にする。あれがいちばん気持ち悪くない。
ミイラ男は、まだ生っぽさが残っているから駄目。
骨は白ければ白いほど好ましい。
しかし、白くてもばらばらの骨には、なぜかさほど魅力を感じない。
完璧さが欠けているからかもしれない。
では骨格標本のように組み立てたらどうか、というと、
それはそれで科学的すぎて面白くないような…
持ち帰って飾っておきたい、という気にはならないのである。