ちょっと必要なことがあり、古いアメリカの雑誌を入手。
どれくらい古いかというと、1955年…
最近の人は10年未満でも「昔」って言うようですが、
55年も前なら、文句なしに、昔でしょう。
子ども用の定期購読の月刊誌です。
表紙をひらくと「今月の歌」がのっていて、
おはなしがいくつかのっていて、連載冒険物もあって、
パズルとか、工作とか、簡単なお料理のページもあって、
読者からのおたよりコーナーもあって、
なぜか「犬をお風呂にいれる方法」の写真つき解説もあって、
ローラースケートやクレヨンの広告が混ざってて、
32ページで30セント!
その中でみつけたのが、上の楽譜。
Outlaw's Cave …「無法者の洞窟」…って?
とにかく、この4小節だけ、ぽつんとのっていて、
説明らしいものも、作曲者名も一切ありません。
すぐ下は無関係なクロスワードパズルだし。
なんでしょうか、これ。
と、しばらく考えて、ふと思いついたのが、
「若草物語」の(これまた古くてすみません)最初のほうにある、
クリスマスに姉妹でお芝居を上演するシーン。
19世紀の少女たちが「おうちでシェイクスピア悲劇」なら、
50年代の小さい男の子たちは、もちろん「おうちで西部劇」ですよね。
いえ、クリスマス等の特別なイベントでなくても、
雨の日に家の中でやる「ごっこ遊び」にだって、
当時の人気映画やTVドラマが反映されていたはず。
そして、映画やドラマのシーンを思い浮かべるとき、
欠かせないのが「効果的な音楽」。
つまり、この楽譜って、子ども用の
いわゆる「劇伴」のひとつじゃないのかな?
と、わたしは推測するのですが、どうでしょうか。
残念ながら手元にあるのは1冊だけなので
全体像がわかりませんが、
おそらく毎号ひとつずつのっていたのでしょう。
ガンマンとか、カウボーイとか、海賊船とか…
シーンごとに、それらしい気分の盛り上がるような、
しかも弾くのが超簡単で、繰り返しのきく短いフレーズ集が。
この時代に、アメリカの中流家庭の何パーセントが
ピアノを所有していたのかわかりませんが、
こういうものがクロスワードと並んでさりげなく
(一言の説明もなく!)のっていることからみて、
家庭でピアノを「そういうふうに」使うのも
けっこう普通だったんじゃないかな、と想像できます。
もちろん、役者が伴奏も兼ねるのは、忙しいですけどね。
先生が弾いてクラスで劇あそびをしたのかもしれないし、
お母さんやお姉さんが(優しければ)弾いてくれたかも。
西部劇は興味ないけどピアノなら弾いてあげる、
っていう女の子なんかも、いそうでしょ?
日本だったら、どうだろう。
ピアノは「習うもの」で、どんなに退屈でも
バイエルから順にやっていかなければだめで、
遊びに使うなんて、とーんでもない!
というお母様も多かったのではないかしら。
そういえば、昨年までうちにあったピアノは、
鍵盤のひとつに銀色の三日月のシールが貼ってありました。
それは何かっていうと、そこに右手の薬指をおいて、
ドシラ・ドシラ・ドシラソ・ラシドシラ
と順番に弾くと「ゴジラのテーマ」になるわけで。
保育園のとき怪獣映画にハマッていた呼夜が
唯一弾ける「曲」がこれだったという…(笑)
そんなことも思い出しながら、
この手描きの楽譜をながめていますと、
ソファの後ろだかテーブルの下だかに這いこんで
わくわく!しているビリー坊やが目に浮かびます。
そう、その「わくわく!」だったんだよ、
きみを大きく強くしてくれたのは。
コーンフレークスだけじゃなくて、ね。
どれくらい古いかというと、1955年…
最近の人は10年未満でも「昔」って言うようですが、
55年も前なら、文句なしに、昔でしょう。
子ども用の定期購読の月刊誌です。
表紙をひらくと「今月の歌」がのっていて、
おはなしがいくつかのっていて、連載冒険物もあって、
パズルとか、工作とか、簡単なお料理のページもあって、
読者からのおたよりコーナーもあって、
なぜか「犬をお風呂にいれる方法」の写真つき解説もあって、
ローラースケートやクレヨンの広告が混ざってて、
32ページで30セント!
その中でみつけたのが、上の楽譜。
Outlaw's Cave …「無法者の洞窟」…って?
とにかく、この4小節だけ、ぽつんとのっていて、
説明らしいものも、作曲者名も一切ありません。
すぐ下は無関係なクロスワードパズルだし。
なんでしょうか、これ。
と、しばらく考えて、ふと思いついたのが、
「若草物語」の(これまた古くてすみません)最初のほうにある、
クリスマスに姉妹でお芝居を上演するシーン。
19世紀の少女たちが「おうちでシェイクスピア悲劇」なら、
50年代の小さい男の子たちは、もちろん「おうちで西部劇」ですよね。
いえ、クリスマス等の特別なイベントでなくても、
雨の日に家の中でやる「ごっこ遊び」にだって、
当時の人気映画やTVドラマが反映されていたはず。
そして、映画やドラマのシーンを思い浮かべるとき、
欠かせないのが「効果的な音楽」。
つまり、この楽譜って、子ども用の
いわゆる「劇伴」のひとつじゃないのかな?
と、わたしは推測するのですが、どうでしょうか。
残念ながら手元にあるのは1冊だけなので
全体像がわかりませんが、
おそらく毎号ひとつずつのっていたのでしょう。
ガンマンとか、カウボーイとか、海賊船とか…
シーンごとに、それらしい気分の盛り上がるような、
しかも弾くのが超簡単で、繰り返しのきく短いフレーズ集が。
この時代に、アメリカの中流家庭の何パーセントが
ピアノを所有していたのかわかりませんが、
こういうものがクロスワードと並んでさりげなく
(一言の説明もなく!)のっていることからみて、
家庭でピアノを「そういうふうに」使うのも
けっこう普通だったんじゃないかな、と想像できます。
もちろん、役者が伴奏も兼ねるのは、忙しいですけどね。
先生が弾いてクラスで劇あそびをしたのかもしれないし、
お母さんやお姉さんが(優しければ)弾いてくれたかも。
西部劇は興味ないけどピアノなら弾いてあげる、
っていう女の子なんかも、いそうでしょ?
日本だったら、どうだろう。
ピアノは「習うもの」で、どんなに退屈でも
バイエルから順にやっていかなければだめで、
遊びに使うなんて、とーんでもない!
というお母様も多かったのではないかしら。
そういえば、昨年までうちにあったピアノは、
鍵盤のひとつに銀色の三日月のシールが貼ってありました。
それは何かっていうと、そこに右手の薬指をおいて、
ドシラ・ドシラ・ドシラソ・ラシドシラ
と順番に弾くと「ゴジラのテーマ」になるわけで。
保育園のとき怪獣映画にハマッていた呼夜が
唯一弾ける「曲」がこれだったという…(笑)
そんなことも思い出しながら、
この手描きの楽譜をながめていますと、
ソファの後ろだかテーブルの下だかに這いこんで
わくわく!しているビリー坊やが目に浮かびます。
そう、その「わくわく!」だったんだよ、
きみを大きく強くしてくれたのは。
コーンフレークスだけじゃなくて、ね。