朴の木のひらきかけの若葉。
芽をつつんでいた薄赤い皮がはがれてぶらさがり、
ちょっと遠目にはニンジンのように見えるので、
いつもこの状態をニンジンツリーと呼んでいる。
しかし、羽のある人たちがわいわいしているようにも見える。
ここからまもなく大きな楕円形の葉が風車のようにひらいていく。
例年、5月の連休の頃には蕗を摘みに行くのだけれど、
川岸はあっちもこっちも猪さんが掘り返し、
収穫量は年々少なくなる一方。
今年は一番いい場所をごっそり崩されてしまったので、
ほんの一握りしか採れず、つまらない。
西側の沢沿いに、猪っぽさのひときわ濃い地帯がある。
バッタリ会ってはいけないから、わざと足音をたてて行くと、
案の定、竹やぶの奥でパキパキと音がした。
見ると、やや小さめのが2頭、さほど慌てた様子もなく
のこのこと移動していくところ。
午後には反対側の東の斜面で、
何かごそごそあさっているアナグマをMが見つける。
タヌキと混同されやすい動物だが、
タヌキはタヌキ属で、アナグマはイタチ属。
足が短いせいもあり、うねうねした歩き方が
イタチといえばイタチっぽいかも。
「こら」と呼ぶと、ちょっとふりむく。が、
そのまま、うねうねうねと上っていってしまった。
はい、こんな感じ。
これは3年前に撮った写真。
鼻先を地面にくっつけるように歩くので、
いつも背中しか見えないんです。
オオルリが朝から夕方まで鳴いている。
ヤマガラも、ヒヨドリも。
今年はカワラヒワもよく鳴いている。
カワラヒワの声はカナリアに似たところがある。
小さい頃、うちでカナリアを飼っていたので、
どこか懐かしくなるような声だ。
うちのカナリアは何度も卵を産んで雛をかえした。
雛は大きくなるとだんだんカナリア色になるが、
頭が帽子をかぶったように黒い子や、
羽根がちょこっとだけ黒い子が必ず混じっている。
帽子の子にはベレちゃんなどと名前をつけたけれど、
うまれた子たちは長くはいなかった。
そういう色のカナリアは小鳥屋では売っていない。
あの子たち、みんな、どこへ行ったんだろう。