閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

そめものや

2016-08-13 22:14:51 | 日々

8時前に行かないと会えないアサガオ。 

 

 

 

そのまま着るには白すぎてどうしようかと思っていた綿のシャツを、
染めてみたらどうだろう、と思いついた。

30年以上前に、祖母の影響で「刺し子」に凝っていたとき、
市販の染料で木綿の手縫糸を何束か染めた。
それ以来、大きな布や衣類を染めたことはまだない。

草木染めをするなら、材料には事欠かない環境ではあるけれど、
志村ふくみさんの本などを早い時期に読んでしまったため、
遊びでちょこっとやるには奥が深すぎるような気がして、
(つまり、びびった、のですね…笑)
これまで手を出さずにいた。
まあ、やろうと思えば、いつでもできるし、という気持ちもあって。

「織り」のほうは、学生のころにしばらく熱中し、
毎日何時間もぶっ続けに織って、こういう仕事もいいかなあと
ちょこっと本気になりかけたころで、ぱたっと飽きた。
「かご編み」も、田舎に来てまもなく、周囲にいくらでもあるアケビ、
クズ、アオツヅラフジなどを相手に、何日か格闘して、これも飽きた。
いまは、くるくる丸めてクリスマスのリース台を作るだけ。

飽きるというのは、わるいことではない。
じゅうぶん遊んだ。満ち足りた。これ以上やる必要はない、
ということがわかったのだ。
それは通りすがりの道標で、先へ進むために後に残していくものだ。
子どもは何にでも興味を持ち、手を出してみては、じきに放り出し、
「ウチの子、ほんとに飽きっぽくて!」とお母さんを嘆かせるけれど、
そうしていれば、いつかは飽きないものにぶつかる。
わたしは「おはなしをかくこと」を5歳からやっていて飽きないし、
このブログだって10年続いてまだ飽きてないので、
(そう! ふと気がついたら、先月で10年目だったのです!)
たぶんこのあたりが向いているのでしょう。
いや、向いてないと言われたって、いまさらどうしようもないし。

で、草木染めの話。
専門書を読んだり、わざわざ習いに行ったりしなくても、
インターネットですぐに情報が得られるのでありがたい。
しかし、「草木染め」で検索すると、キッズ体験用から本格派まで、
何百も出てきて、どれを見たらいいかサッパリわからない。
4つ5つ見たあと、わりとテキトーにやっても大丈夫だよ!と
言ってる人のを参考にすることにした。

染料は、そこらへんの雑草でも刈ってくるつもりだったけれど、
そういえばMが何年か前にまとめて買いこんだハーブティーが
個性的すぎて飲めないまま賞味期限切れになっていたので、
これも枯れ草みたいなものだから、使っちゃえと…(笑)
大鍋にティーバッグをどさっと放り込み、ぐつぐつ煮出す。
色が薄そうなので、おなじく期限切れのルイボス茶も投入すると、
たちまちアフリカンな赤茶色が出て、おお!と思う。

台所でやっているので、素材が「食品」だと安心感があっていい。
煮出し汁にシャツをとっぷり浸け、20分くらいかけて染め、
そのあとミョウバンの媒染液に浸けてから、水洗いする。
最初はベージュ色、乾くときれいな黄褐色になった。
もともとうっすらと織柄のある布地なので、良い雰囲気だ。
お洗濯をするともっと薄くなるかもしれないけれど、
そのときはそのときで、また染めればいいし。

(と、ここでその「作品」の画像を入れたかったのですが、
どう撮ってもなぜか似ても似つかぬ色に写ってしまうので、やめました) 

ビギナーズラック的にうまくいったのに気をよくして、
「もっと染めたい」とMに言ったら、白い綿シャツをもう2枚くれた。
シンプルなTシャツと、半袖スタンドカラーのだぼっとしたのと。
ああ、いいですねえ。
外に出て植物を見ると、まず「これは染まるかな」と考える。
ものの見方が、がらっと変わってしまったのだ。
からまって厄介なクズだって、もしもいい色に染まるなら歓迎だ。
アサガオ、オオマツヨイグサ、オシロイバナなど、
ついつい鮮やかな花に目がいくけれど、たぶん薄すぎるだろうし、
染めてもこういう色に仕上がらないことはわかっている。
とりあえず「次回は栗で、鉄媒染で」と、目標を絞った。
栗のイガも落ち葉も、文字通り「掃いて捨てるほど」ある。
錆びた鉄屑もあるので、さっそく酢をかけて媒染液を仕込む。
あ、山桜の落ち葉なんか、どうだろう。
栗と染め比べも、いいかな。
1週間先のお楽しみです。





 

 


 

子どものとき、染めものごっこをして遊んだのを思い出した。
タンポポの葉などを摘んできて、ままごとのまな板の上で叩き、
濃い緑の汁で白いハンカチを染める。
あれは春限定の遊びだったかもしれない。
てるてる坊主のように糸でくくっておくと、絞り染めができる。
一晩おいて、翌朝ひろげてみるのが楽しい。
媒染というのを知らないから、色はすぐ落ちてしまったけれど。
こういう遊びに使っていい「古いハンカチ」が、どこの家にも
1枚くらいはあったんじゃないかな。
サラリーマンのお父さんのハンカチといえば大判の白の木綿と
決まっていたような時代。

 

本日のウラシマ。



このあいだ、朝の5時半に、ベランダで蝉をとって、
わざわざわたしが寝ているところへうやうやしく持ってきた。
「ベッドで朝食を摂る習慣はないし、時間も早すぎる。それに
わたしの好みのものではない」と言って聞かせたら、(執事か!)
今度は深夜1時に猫じゃらし棒を階下からくわえてきた。
真っ暗な中でじゃらしているうち、双方寝てしまったようで、
朝目が覚めたら、わたしだけ棒を持っていて、ウラシマはいなかった。

きょうは朝からあちこち掃除をするので動き回っていると、
いちいち後をついて回ってピーピー鳴く。
ふだんは閉まっているドアが開いているので、興味しんしん。
なんだか2歳児がいるような感じ。

Y子さんが来て、玄関先でおしゃべりをしていたら、
ウラシマがずいっと出てきて、いやに親しげにY子さんの足に
スリスリして、しきりと可愛さをアピールしている。
そんな人懐っこい猫だったとは知らなかった!
まだまだ知らないことがあるのかもしれない。
そのうち「猫に学ぶ世渡りのコツ」っていう本が書けそう。
 

 

本日の「いいね!」


こねこのトムとあひるのジマイマ


猫の動きが、すごくよく出来ている!
動物の猫から、服を着て二足歩行する擬人化猫への移行が、
ほとんど違和感なくて驚きます。
ポターの観察眼がそれだけ確かだということ。
ただし、後半のあひるときつねの話はあんまり好きではないなー。

(長いので、 お時間のない方には、3分から10分くらいまでがおすすめ)

 

コメント
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