水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

高層ビルの上から溶け落ちる絶叫

2016年07月09日 14時03分58秒 | 詩編
 ビルから落ちてゆく幻想が  幾千回も震えて  三千世界の意味を携えて  一気に青を縦割って  叫び声を上げながら  地面への距離を縮めていく  溶け落ちてしまうその声が  僕の心を何千回も撃ち抜いて  意味もなく涙を流すきっかけを  僕に提供する  死とは  つまり  何かを  更新することだと  雲になれない  君は云う . . . 本文を読む

椅子たちの陥る失態の隙間

2016年07月09日 00時21分08秒 | 詩編
 たった独りで部屋にこもり  午前一時の闇の中で  ピスタチオを砕く夜の静寂    恐れ多き神の眼前で  いつまでも蠢く  僕の寄る辺なき畏怖たちよ  そこで産まれる  観客総立ちの舞台裏で  意味もなく吠える犬たちの  悩みに応える  冷たく立ち並ぶビルたちよ  時を選ばずして  いつもはぐらかしてばかりの  整然と立ち並ぶ椅子たちよ    忽然と焼きあがるピスタチオの  美のイルミナシオン . . . 本文を読む

真夏の偽証

2016年07月09日 00時20分32秒 | 詩編
 開け放った窓から吹き込んでくる思想は  僕らの間違った理想を育むように乱吹く  何でもない僕らの懐に滑り込むように  それらは踊って舞って跳ねて花開く  床の間で眠る幼い頃の僕の影が  7月の陽光にかき消されて  いつかの過去を思い出すように  背中を掻いている少年の姿を映し出す  夢果てる音が真夏の空に鳴り響いても  むしろ響きだす蚊子たちの羽音に  じっと耳を澄まして心浮き立たせる子らの . . . 本文を読む