走り出した
広場を抜けて
僕は太陽のお城まで
一目散に跳ねていく
眼下に
ソラが広がるが
僕は
知らずに
駆け抜けるのです
遠く
視界の霞む距離に
君はあくびをして
コーヒーを飲んだりなんか
しているのです
僕は
君を目指しているので
他のことなんか
どうでもいいのです
中途で
蛇がとぐろを巻いていようとも
たとえ
火が
燃え盛っていようと . . . 本文を読む
非対称の美学
心揺さぶられては
右に揺られ
左に揺られ
邪悪なアジテイターが
僕らを靡かすとすれば
僕らはまた
胡散臭い正義にだって靡かされる
知っていたんだ
僕は午後の倦怠を
目の前にいる君の
硬直した原罪を
. . . 本文を読む
風に乗るまでの
ふわっとした一瞬が清々しい
君の瞳のなかで
戯れている妖精が初々しい
弟分の腕に抱かれて
転寝する仔猫が愛くるしい
姉御の気分で
移り変わる雨模様が煩わしい
厚かましく
空を翔ける僕の妄想も
君の手刀で
スパッと切られる
青い午後
. . . 本文を読む
かつて経験したことの無い震動
どこからともなく水流の気配がする
各地で起こる停電と断水
突然の出来事に
逃げ惑う人々
そして試される判断
そんな中舞い落ちる灰雪
前兆は思い出せば有ったものの
不意の恐怖の襲来
迫り来る水が大地を飲み込み
いつの間にか炎が燃え盛り
助けを求める声!
この惨禍のせいで
人々はみな茫然自失状態になってしまった
翌日になって
見 . . . 本文を読む