某新聞に載った「ふーん、ほー、おー」の活字。昨日の自民党総裁選結果に対する議員の反応を表現したものだ。選挙前の目算との違いを如実に表しているようで面白い。
安倍陣営が目指した得票数は、70%超と強気だったが、「ふーん!」に終わった。麻生候補に対するどよめきにも似た「おー!」の反応と、対立軸を明確にした谷垣候補に対する「ほー!」の声。自民党にもまだバランス感覚が残っていたのだと救われる思いがした。
昨年9月の衆議院選挙の政権公約で、自民党は郵政民営化を突破口に規制改革、政策金融機関改革、社会保険庁改革などの一連の改革を進める方針を打ち出した。小泉首相は、郵政民営化法案成立後は、燃え尽き症候群に陥り、最後は破壊だけが際立った。 政権末期になって「骨太の方針」を作っただけで、道半ばで投げ出し、ブレーンの竹中総務大臣も議員辞職の形で逃げ出した。
新政権は、このマニフェストを踏まえて改革を加速させなければ、有権者との約束を果たせない。来年の参議院選挙を睨んで、総論に終始し、具体的な政策を口にしなかった安倍候補が近日中に発表する人事構想を見れば、その本音を窺えるだろう。