現役時代は、「時は金なり」を軸に事業運営して来たが、今は別の意味合いで「時は金なり」と思うようになった。
高度情報社会における会社経営の生命線は、時間軸。他社に先駆けて有用な情報を入手し、戦略を練る「先手必勝」が競争の鉄則だけに、時間遅れの情報は、無価値だと信じていた。だから、期限を過ぎた報告に対しては激怒した。逆に、引き受けたことは、徹夜してでも期限を守った。
組織を離れた今は、時間は全て自分で消化出来る身分だ。何に使おうと、誰からも文句を言われる筋合いはない。これが、”時悠人”の特権でもある。とはいえ、仙人のような暮らしをしている訳ではないので、周囲との接触においては、自ずと制約を受けざるを得ない。
そこで、自分の時間を大切にするために、以前とは違った形での効率化を心掛けるようにしている。それでも、相手が約束の期限を守らなかったり、我が意と異なる方向に進んでいると、ストレスを感じてしまう。「いつになっても、拘るのは悪い癖」と、女房に叱られているが、生来の貧乏性だけは健在だ。