「美しいニッポン」、「美しい地球60」と、「美しい」を連発するのがお好きな総理だが、肝心の足元の閣僚が不祥事で辞任して行くのは、何とも皮肉だ。トップ自らが引責辞任を迫られても、「自分にはなすべきことがある」として、再チャレンジする気概には感嘆する。まさに、美しい”戦う政治家”像そのものかと錯覚させられる。
野党も、「政治とカネ」に関しては決して「美しい」とは言えない。「年金問題」にしても、不正を暴くことも重要だが、抜本的な社会保障制度の一環としての位置付けを忘れないで貰いたい。
さて、来週から臨時国会が始まる。テロ特措法の延長審議をする際、政府は、この5年間の実績をデータとして示して欲しい。国力相応の国際貢献とか、国際社会からの謝辞などといった抽象論ではなく、イラクやアフガニスタンの現状を冷静に分析し、支援継続が不可欠なのかどうかを国民が判断出来る情報を開示すべきだ。
「美しい国創り」を目指す安倍総理に求められるリーダーシップとは、「ピュアな議員でフェアな政治」を行うことだ。APECでブッシュ大統領に無責任な約束をしないことを祈りつつ。