今日の「有馬記念」を最後に引退するディープインパクト。競馬ファンに惜しまれつつ馬場を去る。この名馬の雄姿をもう観ることが出来ないのは寂しいが、自分の半世紀とだぶって感慨ひとしおだ。
私の競馬歴は、もう40年になる。きっかけは、会社の上司に土曜日の勤務終了後、むりやり競馬場へ誘われたことに始まる。当時は、ギャンブルには全く興味が無かったので、断ったところ、「仕事を教えないぞ」と脅され、半ば強制的に連行された感じだった。
馬券の買い方も知らない私は、馬体が美しく、鼻息が荒そうな馬を選んで100円券を2枚買ったのだが、それがナント、万馬券に。当時の月給は、2万円ちょっとだったから僅か1分間で1ヶ月の稼ぎに相当した。完全に価値観が狂った感じで、これが転落(?)のきっかけになった。その後、仕事でもギャンブルに近い新規事業に手を出した伏線はその辺に潜むのかもしれない。
20数年前、東横線代官山駅近くに3年間住んだ時、毎日曜日、長女を連れて渋谷の場外馬券売り場に出かけたこともあった。子供の教育に悪いと女房に咎められ、その後、10年間ほど自粛するうち、関心が遠のき重賞レースをテレビで観賞するだけに落ち着いていた。ところが、ITブームが競馬界にも波及した恩恵で、3年前からJRA(日本中央競馬会)のパソコン会員に登録、インターネットで馬券投票し始めた。買うのは重賞レースだけだが、3年間でネット貯金が3倍に膨れ上がった。
競輪・競艇と違って、馬は正直だけにその能力がデータに出る。美しい走り方を観賞する気持ちになれば、お金以上の喜びを与えてくれる。ディープのラストランを目に刻みおきたい。