駄菓子屋の思い出

2008-07-04 10:29:16 | 日常
子どもの頃一時期、コロ子は駄菓子屋の「当てもん」に熱中していました。
札を引いてハズレだったらアメ、当りが出れば、賞品をもらえるという
「お楽しみ」です。
コロ子はどうしても賞品の乳母車がほしくて、何度も挑戦しました。しかし
結果は、いつもハズレ。運のなさを嘆きつつ、他の遊びに気を取られたこと
もあり「当てもん」のことは、しばし忘れていました。

2~3日間を置いて訪ねてみると、札が残すところ4枚になっています。
しかも欲しかった乳母車が残っているではありませんか。残り札を全部買えば、
絶対に当りが入っているはずです。急いで家に戻り、貯金箱の中から4回分の
80円を取り出し、駄菓子屋まで走って行きました。今度こそ、あの乳母車が
自分の物になると確信して.....。

10円玉を8枚手渡し、4枚の札を引きました。
ところがどっこい、すべてハズレ。
「これはおかしい」と、駄菓子屋のおばちゃんに抗議しました。

コ ロ 子:最後の札まで引いたのに当りがでーへんの、なんで?
おばちゃん:あんた、当たり前や。最初から全部当り札入れとって、当て
      られてしもたら、おばちゃんどうすんの。商売にならへん
      やない。ハズレばっかり残っとったっら、誰も買わへんやろ。

それでも「最後まで当りが出ーへんのおかしいやん」と言って食い下がる
コロ子に、おばちゃんは「しゃーない子やなあ」と言いながら、店頭に
並ぶ前の「当てもん」一式を取り出して、半紙に包まれた当り札、そして
数多あるハズレ札を見せてくれました。

「う~ん、そうか。確かにおばちゃんの言うとおりや。最初に当り札が
出てしもたら、おばちゃんのお店はハズレが残って困る」と一応は
納得しました。しかし、最後まで当り札を入れなかったおばちゃんの
やり方を「ずるい」とも思いました。

残り札が数枚になっても、頑として当たり札を入れなかったおばちゃん。
子ども相手の商売とはいえ、真剣勝負だったんですね~。
コロ子も負けずに真剣でした。

なつかしい思い出です。

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