さる高貴な方のお子様が通学する学校で、学級崩壊を思わせるような
出来事があり、マスメディアは「あの名門校でも」と大騒ぎしています。
実は名門私学でもこういった問題は珍しくないのだとか。
「学び」から逃走する子どもたち 佐藤学著 岩波ブックレット
には下記のように書かれています。
公立学校の場合は一つの教室で「学級崩壊」が起きても大きな問題になり
ますが、私立学校の場合は半数近くの教室が「学級崩壊」になっても、
その実態は隠されます。私立学校は少子化の中で経営的に厳しい状況に
置かれていて、ひとたび評判を落とすと廃校にさえなりかねません。
この数年間、「学級崩壊」に苦しむ多くの学校から訪問の依頼を受けましたが、
その多くは私立学校であり、その実態は公立学校とは比較にならないほど深刻
でした。なぜ、私立の小学校高学年と中学校に「学級崩壊」が頻発するのか。
その理由は読者の皆さんに考えていただきたい事柄です。(6~7頁)
また、「学び」からの逃走と学級崩壊の背後には家庭の崩壊に加えて親の態度
の変化があります。たとえば、近年、早期教育に熱心な家庭の子どもが、
小学校高学年から中学校にかけて「学び」を拒絶し、「学び」から逃走する
ケースが増えてきました。「早期教育」や「お受験」に熱中する親や子ども
ほど、いったん成績が芳しくなくなると、早々と絶望し諦める傾向が強いよう
です。小学校の高学年になると、子どもの方も親の利己的な態度に批判的に
なりますから、「学び」からの逃走が一挙に進行します。そのため、大方の
予想に反して、私立の小学校や中学校では、公立の学校以上に授業が成立しない
学級崩壊の状況が拡大していますし、いわゆる底辺校と呼ばれる高校には、
有名な私立幼稚園や私立小学校の卒業生が増える傾向にあります。(42頁)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/af/c322a5dd5aaf8a18ac43a8f6f3fe761a.jpg)
この本を手に取ったのは、PISAの国際学力調査で日本の子どもたちが
順位を下げているというニュースがきっかけでした。
コロ子は、日本の子どもたちは、遊ぶ時間を削って塾通いやお稽古事に
精を出していると思い込んでいたので、PISAの結果がどうにも信じられ
なかったからです。
佐藤氏によると、日本の子どもは家庭での学習時間が極端に短くなり、
読書量も急速に減りつつあるのだそうです。
学ぶことに対するニヒリズム(虚無主義)とシニシズム(冷笑主義)が
子どもたちの間に漂い、それが「学び」からの逃走につながって
いると指摘しています。
講演会のレジュメのような小冊子で、とても読みやすかったです。
出来事があり、マスメディアは「あの名門校でも」と大騒ぎしています。
実は名門私学でもこういった問題は珍しくないのだとか。
「学び」から逃走する子どもたち 佐藤学著 岩波ブックレット
には下記のように書かれています。
公立学校の場合は一つの教室で「学級崩壊」が起きても大きな問題になり
ますが、私立学校の場合は半数近くの教室が「学級崩壊」になっても、
その実態は隠されます。私立学校は少子化の中で経営的に厳しい状況に
置かれていて、ひとたび評判を落とすと廃校にさえなりかねません。
この数年間、「学級崩壊」に苦しむ多くの学校から訪問の依頼を受けましたが、
その多くは私立学校であり、その実態は公立学校とは比較にならないほど深刻
でした。なぜ、私立の小学校高学年と中学校に「学級崩壊」が頻発するのか。
その理由は読者の皆さんに考えていただきたい事柄です。(6~7頁)
また、「学び」からの逃走と学級崩壊の背後には家庭の崩壊に加えて親の態度
の変化があります。たとえば、近年、早期教育に熱心な家庭の子どもが、
小学校高学年から中学校にかけて「学び」を拒絶し、「学び」から逃走する
ケースが増えてきました。「早期教育」や「お受験」に熱中する親や子ども
ほど、いったん成績が芳しくなくなると、早々と絶望し諦める傾向が強いよう
です。小学校の高学年になると、子どもの方も親の利己的な態度に批判的に
なりますから、「学び」からの逃走が一挙に進行します。そのため、大方の
予想に反して、私立の小学校や中学校では、公立の学校以上に授業が成立しない
学級崩壊の状況が拡大していますし、いわゆる底辺校と呼ばれる高校には、
有名な私立幼稚園や私立小学校の卒業生が増える傾向にあります。(42頁)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/af/c322a5dd5aaf8a18ac43a8f6f3fe761a.jpg)
この本を手に取ったのは、PISAの国際学力調査で日本の子どもたちが
順位を下げているというニュースがきっかけでした。
コロ子は、日本の子どもたちは、遊ぶ時間を削って塾通いやお稽古事に
精を出していると思い込んでいたので、PISAの結果がどうにも信じられ
なかったからです。
佐藤氏によると、日本の子どもは家庭での学習時間が極端に短くなり、
読書量も急速に減りつつあるのだそうです。
学ぶことに対するニヒリズム(虚無主義)とシニシズム(冷笑主義)が
子どもたちの間に漂い、それが「学び」からの逃走につながって
いると指摘しています。
講演会のレジュメのような小冊子で、とても読みやすかったです。