国内窮乏化政策

2010-11-09 09:43:45 | 日常
11月9日 NHKラジオ「ラジオあさいちばん」ビジネス展望に
出演された内橋克人さんのお話をまとめました。

・TPP参加の判断は先送りされたとの解釈があるが、基本方針の全文を
読むと参加の意思が表示されていると読み取れる。
・「農業の閉鎖性が日本の開国を遅らせている」は誤った認識である。
日本の食料自給率の低さこそ、開国=自由化させられていることの
裏返し。
例 穀物の自給率は28%(72%はすでに開国)
飼料用の原料トウモロコシは全量輸入、99%はアメリカから
大豆の自給量は6%、残りは94%輸入に頼みで、そのうち72%は
アメリカから輸入
小麦の自給率は14%、輸入の61%はアメリカから

・TPPに参加すると、原則として5年以内に完全な関税撤廃を迫られる。
とすると、何が予測されるか。
日本の多国籍型企業(所謂、大企業の製造業)は、賃金コストの安い国
へどんどん生産拠点を移して行くだろう。日本市場に向けて逆輸出する
という構造が加速する。日本に向けて輸出しても関税がゼロだから。
TPP参加国は低賃金国が多く、そういう国で生産して日本に向けて輸出を
してくる。これで国内の雇用の空洞化に拍車がかかる。結果として、
中小企業、地域産業、商店街、農業など海外にフライト(逃避)できない
企業、産業の衰退が一層すすむ。まさに国内窮乏化政策であると言える。
このように、経済だけでなく、社会構造にまで大きな変化をせまられる
ことになるだろう。

以上のようなことを述べられた上で、内橋さんは「TPP参加の是非について、
政権だけではなく国民全体に問いかけて議論を起こすことが必要ではないか。
規制緩和万能論が起った90年代を彷彿とさせるような開国一辺倒論に危うさ
を感じる」と締めくくっておられました。

内橋さんのお話は後日ポッドキャスティングで聞くことができます。
コロ子が聞き損ねている部分が多々あると思われますので、ご確認ください。
ラジオあさいちばん ビジネス展望

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする