私が産婦人科教室に入局した当時(二十数年前)、大学病院の産婦人科の医局員は全員が男性医師で、女性医師は一人もいませんでした。
その後、女性医師がだんだん増えはじめて、現在では、二十代の若い産婦人科医師では男女比が1:2と女性医師の方が圧倒的に多くなってきました。
従って、産婦人科の労働環境を、女性医師が無理なく働き続けられるように改善しない限りは、いつまでたっても産婦人科医師不足の問題は解消しません。
同時に、男性医師や男子医学生が産婦人科を選択しやすい環境を整えることも非常に重要だと思います。
****** OhMyNews、2008年4月16日
産婦人科医師不足は女医対策が急務 「徹底した労働環境改善を」 日本産科婦人科学会でシンポ
軸丸 靖子
産婦人科医師不足による分娩施設の減少が問題になるなか、医師不足に現場はどう対応し、問題を解消していくかを話し合うシンポジウム「産婦人科医不足の解消を目指して」が15日、第60回日本産科婦人科学会総会(横浜市)で開かれた。訴訟リスクや激務のイメージから、減る一方の産婦人科志望の学生をどう増やすか、また、出産・育児で離職する女性医師をどう現場につなぎとめるかが議論された。
産婦人科医の男女比は1:2で女性が多く、20代だと70%、30代だと50%を占める。だが、女性医師が出産・育児を経て働けるかというと、週に何度も当直が入る現在の労働環境では続けられない。このためやむなく離職する女性医師が多く、結果として人手不足に陥った病院が分娩の取り扱いをやめるケースが相次いでいる。
女性医師が求める勤務支援について発言した岡山大学の関典子氏は、同大産婦人科に所属していた、またはしている女性医師で、常勤で働く希望を持っている人は70%近くいるが、実際に常勤で働けている人は8.1%に過ぎないことを紹介。
勤務体制や家事育児のサポート、家族の理解などの問題を理由に挙げながらも、「多くの女性医師が、『現状の過酷な労働環境では、当直回数を減らしてほしいなどの希望はとても言えない』と、ほかの医師への気兼ねから復帰をあきらめていることが深刻」と指摘。当直明けの休みの確保や、休日夜間の分娩に主治医を呼び出さなくても当直医が対応できる体制、院内保育所の整備など、男性医師にも利点のある労働環境の改善が必要と話した。
(以下略)
(OhMyNews、2008年4月16日)