ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

新型インフルエンザ 国内対策切り替えに向けて検討を開始 厚生労働省

2009年05月20日 | 新型インフルエンザ

コメント(私見):

新型インフルエンザA(H1N1)の国内の感染確認者数は増え続けてます。

感染拡大が続く神戸市では、発熱外来がパンク状態となり、本日より一般の開業医でも治療を受け付けることになり、迅速診断キットでA型が確認されてもPCR検査は実施しないことになったそうです。

厚生労働省は、新型インフルエンザA(H1N1)の国内対策切り替えに向けて検討を始めており、近日中に感染症法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ扱いとなる可能性もあるようです。

追記) 神戸市は新型インフルエンザの患者が急増しているので、独自の現実的対応として、新型インフルエンザと同じA型のウイルスが検出されてもPCR検査は実施しないと取り決めましたが、19時のNHKニュースによれば、迅速診断キットでインフルエンザA型が確認された患者については、できるだけ遺伝子検査を実施するように求める厚労省の方針が示されました。

**** NHKニュース、2009年5月20日19時15分

厚労省 遺伝子検査徹底求める

 神戸市や大阪府を中心に新型インフルエンザの感染が広がっていますが、厚生労働省は、感染が疑われるケースについては引き続きウイルスの遺伝子検査を徹底し、感染者の把握に最善を尽くすよう求めることにしています。

 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室の難波吉雄室長は、20日夕方の記者会見で「現在は感染の広がりや人数を把握すべき時期ととらえており、新型インフルエンザと同じA型のウイルスが検出された患者については、できるだけ遺伝子検査を行ってもらうのが国のスタンスだ」と述べ、引き続きウイルスの遺伝子検査を徹底するよう求めていく方針を示しました。そのうえで、難波室長は「感染症の指定病院ではない一般病院で感染の疑いがある患者が相次いだ場合など、検査態勢に課題があれば相談に応じたい」と述べ、国としても積極的に支援していく考えを示しました。

(NHKニュース、2009年5月20日19時15分)

****** 読売新聞、2009年5月20日

遺伝子検査の対象を限定、「まん延期」対応

…神戸市

 新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染拡大を受けて、神戸市は19日、感染が疑われる患者全員のウイルスの遺伝子検査を行うこれまでの方針を転換して、特定の医療機関だけで定点観測的に遺伝子検査を行うことを決め、近く国との協議に入る。

 同市では、新型インフルエンザの感染者が69人に達しており、「状況はすでに『まん延期』に近い」として、20日から、発熱外来以外の一般医療機関でも診療を始める。今後、感染が疑われる患者が増えた場合、全員のウイルスを検査することは、物理的にも不可能と判断した。新型インフルエンザは弱毒性とされ、症状も通常の季節性インフルエンザと類似していることも考慮した。

 同市は今後、特定の医療機関を受診した患者についてだけウイルスの遺伝子検査を行い、感染を確認する。全体の感染者数は、定点観測の結果から推定する。

 一方、大阪府は19日夜、「簡易検査だけでは感染しているかどうか確認できず、疫学調査が行えない」として感染が疑われる患者全員のウイルスの遺伝子検査を継続することを明らかにした。

 厚生労働省は、神戸市の方針転換は事実確認中としながらも、「手間を考えると、発熱者すべてでウイルスの遺伝子検査を行うのは現実的ではない。ただ、一律な検査をやめると、どれだけ感染が拡大しているのか把握できなくなる恐れがある」と話している。

(読売新聞、2009年5月20日)

**** FNNニュース、2009年5月20日11時54分

新型インフルエンザ 新たに神戸市の1,400の開業医でも治療を受け付け

 新型インフルエンザの感染拡大が続く神戸市では、発熱外来がパンク状態になっていて、20日から新たにおよそ1,400の開業医でも治療を受け付けることになった。

 感染拡大が続く神戸市では、新たに21人の感染が確認され、これで神戸市の感染確認者数は86人にのぼった。

 新たな感染確認の中には、25歳の医療従事者も含まれているが、神戸市では、20日から開業医も治療を行う、まん延期に沿った対応が始まっている。

 20日から新たに新型インフルエンザの治療にかかわるのは、神戸市内のおよそ1,400の開業医。

 これまで感染が疑われる患者は、発熱外来のある9つの病院での診療だったが、感染拡大でパンク状態になったことから、神戸市は19日、医師会に協力を要請していた。

 発熱患者は、発熱相談センターや病院にまず電話して、症状が軽いと判断されれば開業医で、一方、重症患者はこれまで通り、専門の9つの病院で治療を受けることになり、センターにはひっきりなしに電話がかかっている。

 また治療を行う開業医も、一般の患者への院内感染を防ぐために、簡易の発熱外来をつくって入り口を分けるなど、ギリギリの対応を取っている。

 開業医は「今は立ち上がらないといけないと思っています。必ず電話はしてもらわないといけない。さまざまな病気を持った高齢者も来られておるんで、そこに発熱で感染の疑いがある人が来られたら、これは大変なことになる」と語った。

 また神戸市では、これまで行っていたPCR検査を終了することにしていて、新型インフルエンザがまん延していることを前提にした現実的な対応が進められている。

(FNNニュース、2009年5月20日11時54分)

**** 毎日新聞、東京朝刊、2009年5月20日

新型インフルエンザ:「機内検疫、即時中止を」 

専門家、治療方針転換迫る

 新型インフルエンザの国内対策切り替えに向け、舛添要一厚生労働相は19日、感染症の専門家4人から意見聴取した。感染症法上の扱いを季節性インフルエンザと同じにすることや、機内検疫の即時中止など、根本的な方針転換を迫る声が相次いだ。

 4人は厚労相のアドバイザーの立場。新型インフルエンザ患者の治療にあたっている神戸大大学院の岩田健太郎教授は「軽症であれば、インフルエンザは自然に治る病気。重症度を無視して一律の医療サービスを提供するのは理にかなっていない」と、問題点を指摘。その上で「自然に治る病気に入れ込み、命にかかわる心筋梗塞(こうそく)などの治療がおざなりになるのは本末転倒だ」と訴えた。

 自治医大病院の森澤雄司・感染制御部長は「一日も早く感染症法上の『新型インフルエンザ』の類型指定から外して季節性と同じ扱いにし、行動計画を新しく作っていくことが必要」と指摘した。

 森兼啓太・国立感染症研究所主任研究官は、縮小される機内検疫について「国内で広がっている中では意味がない。医療現場に医師を戻すべきだ」と、機内検疫の即時中止を訴えた。【奥山智己】

(毎日新聞、東京朝刊、2009年5月20日)

**** FNNニュース、2009年5月20日0時19分

全国的にA型インフルエンザの感染例増加 

新型が潜在的に混じっていると指摘する声も

 新型インフルエンザの感染者増加を受け、対策の国内シフトが進んでいる。こうした中、全国的にA型インフルエンザの感染例が増加しており、新型が潜在的に混じっていることを指摘する声もある。

 舛添厚労相は「当然、国内にもうウイルスがまん延しているというのを想定していいですね」と述べた。

 感染拡大への懸念。こうした中、気になる現象が現れている。

 それは、季節性インフルエンザの流行。

 東京・江戸川区にある「みやのこどもクリニック」の宮野孝一院長は「5月は(インフルエンザ患者が)ほとんどいなかったはずです、去年は。先週が12~13人ですね、1週間に。新規のインフルエンザ」と話した。

 季節性インフルエンザの流行期間は、例年12月から4月ごろまでだが、2009年はなぜか、流行が長引いているという。

 宮野院長は「4月の上旬、中旬ごろから、徐々にまた増えてきているというのが現状で、ほとんどがA型というのが特徴です。非常に不気味な感じはします」と語った。

 新型インフルエンザと同じA型の流行。

 国立感染症研究所が全国5,000カ所の定点医療機関を対象に行っている集計でも、4月下旬の発生件数は、過去5年間の平均値を上回っている。

 これは、いったい何を意味するのか。

 東京医科大学の松本哲哉主任教授は「検査なしでは新型なのか、いわゆる季節性のものなのか、判別は難しいと。精密検査されてませんから、そういうことは確定はできませんけど、そういう人が中に紛れ込んでたとしても、それはもう全然おかしくない」と指摘した。

 当初、海外渡航歴のある患者に対して行われていた遺伝子レベルでの検査。

 一方、初めての国内感染は、渡航歴のない高校生を診察した開業医が、検体を兵庫・神戸市に提出したことで判明した。

 開業医が季節性インフルエンザと思って検体を提出しなければ、発見が遅れた可能性もある。

 松本主任教授は「新型インフルエンザが都内に現時点で持ち込まれている可能性は、かなり高いと思います。気づかないまま、やっぱり同じようなことが東京でも繰り返されるかもしれないし。今の時点でA型がもし出たとしたら、それはやはり積極的に疑って、検査をやられる方がいいと思いますよね」と語った。

 水面下でまん延しているかもしれない新型インフルエンザ。

 冷静かつ十分な注意が必要となる。

(FNNニュース、2009年5月20日0時19分)

**** NHKニュース、2009年5月20日12時23分

国内の感染確認 236人に

 国内で新型インフルエンザの感染が確認された人の数は、20日、新たに滋賀県で1人が確認され、大阪府と兵庫県、滋賀県であわせて236人になりました。

 新型インフルエンザの感染が確認された人は、20日、新たに滋賀県大津市で23歳の男性の感染が確認されたほか、兵庫県では、神戸市内の病院で事務作業を担当する職員など、あわせて21人の感染が新たに確認されました。また、大阪府内では、大阪市の中学校に通う1年生の男子生徒とその母親など、あわせて21人の感染が確認されました。これで、今月16日からこれまでに感染が確認された人は、兵庫県で132人、大阪府で99人、滋賀県で1人で、今月上旬に成田空港の検疫で確認された高校生など4人をあわせると、国内の感染者は236人になりました。このうち、兵庫県では、神戸市を中心に姫路市や北部の豊岡市、それに阪神地域などのあわせて16の市と町で、大阪府では、北部の高槻市や豊中市、大阪市、それに東部の八尾市など10の市と町で、滋賀県では、大津市で感染が確認されています。また、年代別では、幼児から60代の人まで幅広い年代に感染が広がっていますが、中でも高校生を中心に10代の感染者が圧倒的に多くなっています。

(NHKニュース、2009年5月20日12時23分)

**** NHKニュース、2009年5月20日13時9分

世界の感染確認 1万人余りに

 新型インフルエンザに感染した人は、20日、台湾で初めて1人の感染が確認されるなど世界全体で1万人余りとなり、死亡した人もメキシコで4人、アメリカで1人増えて、あわせて83人となっています。

 台湾の衛生当局は、20日午前、記者会見し、外国籍の52歳の男性1人が新型インフルエンザに感染していることが確認されたと発表しました。これにより、世界全体で新型インフルエンザに感染した人は日本を含む43の国と地域で、あわせて1万359人に上っています。また、感染によって死亡した人は19日、メキシコで、4人増えたほか、アメリカでも、ミズーリ州で男性1人の死亡が確認され、▽メキシコで74人▽アメリカで7人▽カナダとコスタリカでそれぞれ1人の、あわせて83人となっています。感染した人の数を国や地域ごとにみますと、▽アメリカで5469人▽メキシコで3734人、▽カナダで496人、▽日本で236人、▽イギリスで107人、▽スペインで103人、▽パナマで59人、▽フランスで16人、▽ドイツで14人、▽コロンビアで12人、▽コスタリカとチリで10人、▽イタリアとニュージーランドで9人、▽ブラジルで8人、▽イスラエルで7人、▽エルサルバドルで6人▽ベルギーで5人、▽韓国、中国で4人、▽香港、オランダ、スウェーデン、キューバ、グアテマラ、ペルーで3人、▽タイ、マレーシア、ノルウェー、フィンランド、ポーランド、トルコで2人、▽台湾、インド、オーストラリア、ポルトガル、スイス、オーストリア、アイルランド、デンマーク、ギリシャ、アルゼンチン、エクアドルでそれぞれ1人となっています。

(NHKニュース、2009年5月20日6時6分)

**** m3.com医療維新、2009年5月19日

「症例定義」の早急な見直しが必要

「感染症ではスピーディーな対応が重要」と強調:

5月19日感染研会見

橋本佳子(m3.com編集長)

 「症例定義を早急に見直すことが必要であり、現在、厚生労働省に提案している」。

 国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦氏は、5月19日午後3時から開かれた会見(メディア情報交換会)で、現状を踏まえた柔軟かつ迅速な対応の必要性を強調した。

 4月29日に定められた新型インフルエンザの「症例定義」(5月9日に追加の事務連絡)では、疑似症患者の条件の一つに、「まん延国への渡航歴」を含めている。岡部氏は厚労省への提案の内容は明らかにしなかったものの、「渡航歴を外すことについてはほぼ合意が得られている」としたほか、(1)神戸や大阪で行われている積極的疫学調査で得られたデータ(患者の感染ルートや臨床データなど)を加味する、(2)検査体制の見直し、の2点を見直しのポイントとして挙げた。

 現在、PCR法などで新型インフルエンザの確定診断を行っている。この「検査体制の見直し」とは、まん延地域などでは全例PCR法での検査を行わないという考えだ。迅速診断キットだけでは、A型陽性であっても、ソ連型、香港型、そして新型インフルエンザA(H1N1)のいずれに該当するかは区別できないが、「まん延期になれば、臨床的には区別する必要はない」(岡部氏)。

 国の新型インフルエンザ対策行動計画では、第1 段階(海外発生期)、第2段階(国内発生早期)、第3段階(感染拡大期/まん延期/回復期)、第4段階(小康期)に分かれている。現在の第2段階での対策には批判が出ており、見直しの余地があるものの、積極的疫学調査を行ったり、感染疑いのある患者を発熱外来に集約するなどの対策は、感染拡大を遅らせると同時に、「新型」のインフルエンザに関する知見を蓄積する時期に当たる。岡部氏のコメントは、まん延期では第2段階までの知見を基に対応することを意味するものでもある。

 ただし、岡部氏は、「季節性インフルエンザでも、1シーズンの死亡者は1万人以上に上る。また新型インフルエンザの場合、免疫がないために感染者数は多数になるため、死亡率は同じであっても、死亡者数の絶対数は多くなる」と釘を刺し、「季節性インフルエンザに近い病原性の新型インフルエンザ」であっても注意が必要だとした。

 さらに、「今の行政の対応は、アクションを切り替えるのに時間がかかっている。慎重さが求められるものの、感染症対策では早い判断が求められる」と岡部氏は述べ、日々刻々と変わる感染動向を踏まえた柔軟かつ迅速な対応の必要性を強調した。

 【記者団からの質問と岡部氏の回答】

質問:今日開催された舛添要一・厚生労働大臣とアドバイザリーボードとの話し合いでは、新型インフルエンザを感染症法上の2類感染症の指定から早く外すべきだという意見が出た。指定から外す基準は何か。
回答:結局、(感染拡大期→まん延期→回復期と3つに分かれている)第3段階のうち感染拡大期が一番決めにくい部分だと思う。まん延期に入ったら隔離入院などをしても意味がなく、隔離しないのであれば2類感染症の指定から外した方がいいというのが一つ。また、患者一人ひとりを追跡するのであれば、全員検査、登録などをすることになるが、何千人、何万人の患者について追跡するよりは、そのエネルギーを効率よく他に使った方がいい。したがって、制度として2類感染症でない方がいいだろう。また、今回のように感染拡大期のスピードが速ければ、早く外した方がいいだろう。
 ただし、2類感染症の指定から外す基準はない。したがって、一つは感染が広がっている、つまり患者の接触歴が追えない状態、そのほか感染が広がって隔離用ベッドが満床になった状態、保健所の職員が手一杯になった状態などが、見極めのポイントになる。ただ、ベッドが満床になった時点で外したのでは遅く、そのすぐ手前でやる必要がある。なかなかスピードのあるアクションが取れないのも一つの問題だと思う。
 また例えば、大阪で2類感染症の指定から外す段階になっても、他の地域で一例もいない地域で指定を外すことは監視の目が緩むことになり、気づいたら「インフルエンザだらけ」になるという問題があり、対応は自治体間で差が出てくることになる。しがたって、法律で一律にするのはどうか。

質問:積極的疫学調査を大阪などで今、実施する意味について。
回答:一つは現状を把握して、対策を立てる意味がある。もう一つは、データの蓄積などをせずに、「患者が増加したから、積極的疫学調査をやめる」となったら、ニューイングランド・ジャーナル・オブメディシン(NEJM)、ランセット(Lancet)などを引用して対応することになる。日本にこれだけの感染者がいるのに、情報を発しなかったら、「ただ大騒ぎして、やめました」となる。対策とは別に、科学的な検証が必要であり、その意味での積極的疫学的調査は必要。

(m3.com医療維新、2009年5月19日)


静岡県立こども病院 「配置転換は不当」 病院機構を提訴

2009年05月20日 | 地域周産期医療

静岡県立こども病院NICU 新規患者は静岡市内のみ受け入れを継続

静岡県立こども病院NICU、新規患者の受け入れを休止

****** 産経新聞、静岡、2009年5月19日

「配置転換は不当」 病院機構を提訴

 静岡県立こども病院(静岡市葵区)で医師不足のため新生児集中治療室(NICU)の新規患者受け入れが制限されている問題をめぐり、病院から不当な退職勧奨や配置転換命令を受けたとして、前新生児未熟児科長の男性が18日、院長と運営する県立病院機構を相手取り、慰謝料550万円の損害賠償などを求める訴えを静岡地裁に起こした。

 訴状などによると、男性が4月1日付で、同科から実体のない新規ポストに不当に配置転換されたことから、病院に不信感を抱いた医師らが相次いで辞職。事態が予想できたにもかかわらず、県中部の新生児未熟児医療の崩壊を招いたとして、配転命令は無効と主張している。

 また、男性は訴状で昨年11月以降、院長が県内の小児科医109人に「(男性が)辞めると公言しており、希望をかなえさせます」と事実と異なるメールを送ったことなども指摘した。「不当な退職勧奨を繰り返し受け、鬱病(うつびょう)を罹患(りかん)するなど精神的苦痛を受けた」とも訴えている。男性は現在、休職中という。

 こども病院は、高度な周産期医療を提供する県中部唯一の医療機関だが、医師の減少でNICUの新規患者受け入れを静岡市内に限定している。県は、ほかの地域の患者は順天堂大付属静岡病院(伊豆の国市)と聖隷浜松病院(浜松市)に対応を要請し、「6、7月をめどに医師を確保したい」としている。

 この日、会見した原告側の家本誠弁護士は「長年地域の新生児医療に貢献してきた原告に対して、信じられない対応」と話した。

 県立病院機構は「訴状を見ていないのでコメントできないが、適切に対応したい」としている。

(産経新聞、静岡、2009年5月19日)

****** 毎日新聞、静岡、2009年5月19日

提訴:こども病院の前科長が病院提訴 

「不当に退職迫られた」

 静岡市葵区の県立こども病院新生児未熟児科の前科長が不当に退職を迫られ、精神的な苦痛を受けたなどとして、同病院の院長と、病院を運営する独立行政法人県立病院機構を相手取り、550万円の損害賠償を求める訴訟を18日、静岡地裁に起こした。

 訴状によると、前科長は08年11月ごろから院長に「院内外からのクレームが多い」などと言われ、退職を繰り返し迫られた。固辞したが、今年4月1日付で県立総合病院(同市葵区)に異動させられたとしている。こども病院と県立病院機構は「訴状を見ておらず、コメントできない」としている。【山田毅】

(毎日新聞、静岡、2009年5月19日)

****** 毎日新聞、静岡、2009年4月24日

損賠訴訟:こども病院の前科長が提訴へ 院長らに慰謝料求め

 県立こども病院(静岡市葵区)の新生児未熟児科の前科長が、不当に退職を迫られたなどとして、院長と、同病院を運営する地方独立行政法人県立病院機構を相手取り、慰謝料などを求める損害賠償請求を静岡地裁に起こすことが23日わかった。県など関係者の説明では、こども病院では、前科長らと病院側が対立。担当医が相次いで辞め、新生児集中治療室(NICU)の新規受け入れを一時、中止する事態に発展した。 【山田毅】

(毎日新聞、静岡、2009年4月24日)

****** 静岡新聞、2009年4月22日

こども病院NICU新患制限 院長が経緯説明

 静岡市内の主要11病院の院長、事務長が集まる公的病院協議会が21日、同市葵区の県立総合病院で開かれた。県立こども病院(同区)の吉田隆実院長が、新生児集中治療室(NICU)が新規患者の制限に至った経緯を説明した。

 吉田院長は「心配、ご迷惑を掛け、おわび申し上げる」と述べ、NICUを担当する新生児未熟児科の常勤医が2人に減員する事態に陥ったことを報告した。院内から医師3人を新たにNICUに配置して5人体制としたものの、当面の受け入れは静岡市内の患者にとどめる方針を説明。「何とか1000グラム以上の子供は他の病院で診るようお願いしたい」などと他病院の理解と協力を求めた。

 今回の対応については「あくまで暫定的」とし、NICUの完全再開に向けて「2カ月の間に医師を確保したい」と述べた。

(静岡新聞、2009年4月22日)

****** 静岡新聞、2009年4月21日

こども病院NICUが5人体制に 院内で3医師確保

 県立こども病院が新生児集中治療室(NICU)の新規患者を制限している問題で、同病院がNICUを担当する新生児未熟児科の医師をこれまでの常勤医2人体制から5人体制に拡充したことが20日分かった。院内で3人の医師を確保して配置した。

 ただ、新患の受け入れ範囲は引き続き静岡市内の患者にとどめる。同病院は6月をめどとしたNICUの再構築に向け、医師確保の努力を継続する。

 新たに配置した3人はほかの診療科の男性医師と男性研修医2人。いずれもNICUの経験があるといい、研修医2人については正規採用した。常勤医2人の負担を軽減し、当直体制を充実できる。

 新生児未熟児科は3月末時点で常勤医4人、研修医3人だったが、人事異動をめぐる混乱で退職意向を示す医師が相次ぎ、現在は常勤医2人体制となっている。このため同病院は当面、院内で支援する方針を示していた。

(静岡新聞、2009年4月21日)