ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

ALSOとは?

2011年12月25日 | 周産期医学

Advanced Life Support in Obsterics

12月23日~24日、亀田総合病院で実施されたALSOプロバイダーコースに参加して来ました。「ALSOって一体全体何なんだろう? 超有名な<wbr></wbr>亀田総合病院を一回見学したい」、という単純な動機で今回初め<wbr></wbr>て参加させていただきました。産科分野にもこんな素晴らしい教育コースのシステムがあることを初めて知ることができ<wbr></wbr>、非常に有意義な2日間でした。今回はテキストのプリントアウトや予習などを全くしないで手ぶらで参加してしまい、ALSO独特の語呂合わせもまだ暗記できてません。今度参加する機会があれば、テキストの予習、語呂合わせの暗記などをしっかりやった上で参加したいと思います。

当科の産婦人科医は、最近では2~3年ごとに構成員がほぼ全員総入れ替えになってますし、助産師の数もかなり増えて、ここ数年間でほぼ倍増しました。患者さんの数も数年前とは全く比べものにならないほど大幅に増えました。周産期医療は、多くの職種の者たちが一致協力して行う典型的なチーム医療の世界で、NCPRやALSOのようなエビデンスに基づいて確立された教育・トレーニングシステムを導入し、チーム構成員の全員に十分浸透させる必要があります。

それにしても、亀田総合病院(千葉県鴨川市)は非常に遠かったです。自家用車と鉄道とタクシーとを乗り継いで、片道に7時間以上!かかりました。長野県内でもALSOが広まってほしいものだと思いました。( 長野県でも開催するとしたら、最初は、インストラクター<wbr></wbr>の先生をお呼びして、信大かこども病院で開催していただ<wbr></wbr>くのが現実的かと思われます。将来的には、県内各基幹病院の持ち回りで開催できるようになったら理想的だと思います。

Also

****** 以下、ALSO-Japnのホームページより引用

Advanced Life Support in Obsterics(ALSO)とは、医師やその他の医療プロバイダーが、周産期救急に効果的に対処できる知識や能力を発展・維持するための教育コースである。またプライマリケア医だけでなく産婦人科の研修医を対象とした訓練でもある。1991年にACLSとATLSに基づいて、ウィスコンシン州の一般診療医師二人がALSOを考案した。1993年にコース権利はAmerican Academy of Family Physicians(AAFP-米国家庭医学会)によって認可され、現在全米ではほとんどの分娩施設において、分娩に関わる医療プロバイダーがALSOの受講を義務づけられている。またALSOコースは世界的に普及活動が行われており、2009年現在までに、50ヵ国以上でプロバイダーコースが開催され、10万人以上がALSOコースを完了した。

コースの教材は、シラバス(教科書)、レクチャー、実地訓練のためのマネキンを使用したワークショップである。筆記試験とマネキンによる実技試験(メガデリバリー)がコースに含まれている。ALSOはLDRにおける産科の救急的対処を強調しているが、その他に出産前のリスク評価、妊娠初期の性器出血、患者-医師関係、出産危機における両親のサポート、そして医療過誤リスクの減少といったテーマも含まれている。

プロバイダーコースは二日間。重要レクチャーは妊娠初期の合併症、難産、妊娠の内科的合併症、妊娠後期の性器出血、分娩後大出血、早産、前期破水、妊婦の蘇生法、そしてマタ二ティケアにおける安全性の8つ。少人数グループによる重要ワークショップは肩甲難産、胎位・胎向異常、鉗子と吸引、分娩中の胎児監視、重要な症例の5つ。オプショナル・ワークショップ:会陰縫合、帝王切開、超音波検査、出産危機における両親への対処、そして新生児蘇生の5つ。

プロバイダーコースを完了した際、参加者は5年間有効の認証を受けることができる。プロバイダーコースの教官になることを希望する場合、一日間のインストラクターコースを受講しなければならない。

日本では2008年に金沢大学の周生期医療専門医養成支援プログラムグループが、米国家庭医療学会から日本でのALSOセミナー運営権を取得し、2008年11月に金沢大学医学部にて初めてプロバイダーコース、インストラクターコースを開催した。日本国内、米国から23名が参加した。2009年4月1日より日本におけるALSO普及活動は、NPO法人周生期医療支援機構(本部:石川県金沢市)がALSO-Japan事業として運営をおこなっている。

(以上で引用終わり)