月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ウェズン・7

2014-11-07 07:11:27 | 詩集・瑠璃の籠

白い月光を 砂糖水に溶かして
あなたは 小さな飴を作ろうとしていた
氷雪の暗夜を ゆかねばならぬ
ひとびとのために

わたしは 海峡の砂浜を歩きながら
貝を拾うように その白い光を拾っては
海に投げるのです
人は誰も それをなめてはならない

自分が愚弄しつくした愛に
すこしでも甘えたいと思うなら
自らがとんでもない馬鹿であることを
世界に叫びなさい
そして当然受けるべき蔑みの声を
全身に浴びなさい

人間は何もしなかったのに
月の飴をまだ欲しがるのだと

海が 星が 空が
途方もない音楽を奏でて
人類を愚弄するその声を
全身が凍りつくまで聞いていなさい

人類よ
もはや二度と愛しはすまい



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