白い月光を 砂糖水に溶かして
あなたは 小さな飴を作ろうとしていた
氷雪の暗夜を ゆかねばならぬ
ひとびとのために
わたしは 海峡の砂浜を歩きながら
貝を拾うように その白い光を拾っては
海に投げるのです
人は誰も それをなめてはならない
自分が愚弄しつくした愛に
すこしでも甘えたいと思うなら
自らがとんでもない馬鹿であることを
世界に叫びなさい
そして当然受けるべき蔑みの声を
全身に浴びなさい
人間は何もしなかったのに
月の飴をまだ欲しがるのだと
海が 星が 空が
途方もない音楽を奏でて
人類を愚弄するその声を
全身が凍りつくまで聞いていなさい
人類よ
もはや二度と愛しはすまい