小さな銀の小鳥を吐いていた
あなたのかわいい唇に
薄い紅をひきましょう
白い百合をらっぱにして
世界に風を呼び
青菫色の 星の絵具で
空を新しく塗りなおそうとしていた
あなたは今
夢の中にいる
銀の小鳥は ふわふわと風に浮かんで
星のようにかすかな歌を歌っています
どんなにしてでも がんばって
みんなをきれいにしてあげようと
かわいい夢ばかりを歌う
まるでシナモンを吐くように
わたしは絹の虫取り網で
小鳥をつかまえては
籠に入れていきます
誰もその声を 聞くことがないように
そして風に銅の扉を描き
その向こうに全部小鳥を放りこんでは
金の鍵で 厳重に封じるのです
もうだれにも それを渡すものか
わたしは 人類を
許しません