月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルデバラン・9

2014-11-09 06:47:38 | 詩集・瑠璃の籠

信じていた赤っ恥の大嘘を
蛙のように大合唱していた
人間よ
そろそろ目覚めの時がくる
おまえたちにも
あれが見えるようになる

生きているのでも
死んでいるのでもない
と いうのは
その人生の持ち主が その人生を
生きているのではないという意味だ

立派な人生を送っているように見えるが
本当は その人間の本霊は
自分の人生を丸投げして
他の霊魂に代わりに生きさせているのだ
自分が直接自分を生きたら
人生が馬鹿になってしまうからだ

そんな人間が
かっこのいい服を着て
舞台で歌い踊っている
あるいは 立派な勲章をつけて
誇らしそうに胸をそらしている
本当になりたかった自分に
とうとうなったと
大喜びで笑っている

もうそろそろ時がくる
今まで決して開けなかった扉を
だれかが開くからだ

すべては一瞬で消える
おのれの真実の姿を見て
驚きおののいている間に
おまえの本当の人生が
波のように
おまえのところにやってくる

芝居はもうとっくに終わっているのだ
すべては馬鹿だったという
黄金のタイトルを
舞台に落として

哀れな奴め
栄光の日々は幸せだったか



滑稽な 悲劇
あまりにも むごたらしい 喜劇



コメント
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