時間を戻ることなど
できはしないのに
時間を戻してくれと
平気で言うのが馬鹿なのです
彼らは言うのだ
人間がまだ馬鹿で
自分たちの嘘を簡単に信じた
あの頃に時間を戻して欲しいと
神にもできないことが
天使にできるはずはないのに
彼らは平気で
わたしたちにそれを願うのです
かつて彼らの闇は強大だった
世界を覆いつくすかのように見え
その恐怖に打たれた多くの人間が
彼らの言うことを聞いた
馬鹿はその時代の栄華が忘れられないのです
だが人間もいつまでも馬鹿ではない
自己存在の真実を知り
悪魔の正体を知る
彼らが本当はほとんど何もできない
馬鹿だということを知る
ほとんどすべての人間が
悪魔を見限り
その世界から去っていっても
悪魔は天使にすがりつくことしかできないのだ
あの頃に時間を戻してくれと
そのみじめな結末を
誰もがみんな見ているというのに
彼らはまだ天使の足元にひれ伏して
時間を戻してくれと願うのだ
その魂胆は
馬鹿な芝居をして天使をだまして
ひっかかったら馬鹿にしてやるのだということが
もう誰にも見えるのだが
まだ馬鹿はそれがばれていないことにして
やるのだ
永遠にやるのだ
このようにして
こんなことになった自分を
どうか助けてくれと
悪魔は永遠に天使にひれ伏し続けるのです