動物的エゴとは
自己存在の幼期における
自分の輪郭のようなものだ
それがなければ
自分と神とを区別できなくなる
切ないほど痛い
自己保存欲の証なのだ
しかし
自己存在もそれなりに大きくなり
自分が豊かになってくれば
それは邪魔になってくる
他存在との共同作業が多くなり
愛の理論を知れば知るほど
自分の輪郭に強くこだわる心が邪魔になる
ここで
自分よりいいものに負けたくないがために
自分の輪郭にこだわり
動物的エゴに自分を明け渡すと
人間の迷いが始まるのである
自己存在の世界には
自分より大きく美しいものなど
あふれるほどいるのだが
それがつらくてならず
世界中で一番自分を偉くしようとして
すべてをさかさまにしようとするのだ
悪
のやり方で
全存在を支配しようとするのである
そういうものが
多数出てくるのが
人間の醜悪期というものなのである
その期間においては
善と悪の勢力が拮抗し
人間は大きく苦悩する
自分を守るための
自分の輪郭はすでにはっきりとできている
ゆえに自己存在はもう
動物的エゴにこだわる必要はない
それがなくとも自分を区別できるのである
しかしそれも
実際エゴを捨てて見なければわからないことだ
いつまでも
子供のころのタオルケットのように
動物的エゴを持っていてはいけない
それはいらないものなのだ
捨てなさい
捨てても何もつらいことはない
かえって新しい愛の世界が
はっきりと見え
自分の本当の幸福は何なのかということが
見えてくるのである