窓辺に 鳥籠をつるし
小さな白い プロキオンを
飼うことにした
瑠璃の木の枝を編んだ
青い籠の中で
ちいさなこいぬの星は
白いボタンインコのように
光にもえながら
わたしの琴にあわせて
ちろちろと鳴く
闇路を照らせ プロキオン
確かに照らせ プロキオン
かなたのみちを ゆく人を
かなたのひとを みる人を
闇路を照らせ プロキオン
かなたの愛を 知る人を
夢のように大きな
まいまいのかたちの
静かな月の岩戸の中で
わたしはかわいいこいぬの星と
ふたりで暮らしている
ちいさな琴をひきながら
遠い昔の わたしが
銀水晶の氷河をわたる
一すじの青い炎であったことを
今知る人は 少なかろう