カノープス・３６

ものごとは
あることから起こるものだ
ないことからは
何も起こらない

あるものが消えると
あることからないことへ
移行する現象が起こる
それを崩壊という

あなたがたは今
その崩壊の現象を見ているのである

あるということは時に
恐ろしく不快な現象を起こす
あまりにも激しい
苦悩を起こす
だが
それだからと言って
あんなものはないほうがいいなどとは
思ってはならない

そのものが世界に関与して起こる
あらゆるものが消える時
世界が一気に滅亡に傾くのだ

あればこそ起こっていた
この世の現象が消え去る
太陽が縮んだかのように
世界が寒くなる

二度とは生まれないただ一つの存在を消すことは
太陽を消すことにも等しい
愚かなことは
それがそうなってしまうまで
わからなかったあなたがたのことなのだ

この世界のすべての現象は
いいことも悪いことも
あるものから生じる
苦しいからと言って
何も消してはならない
わがままというのは
なんでも思い通りにしたがり
思い通りにならないものを消そうとすることだ
それだけで
すべてがだめになるということを
人間は何も学んでこなかったのだ

あるものを大事にしなさい
それによって起こる苦悩の現象は
そのものがいることが悪いのではない
そのものを上手に愛せない
あなたの方が悪いのだ