人間ではない人間が
林檎のような冷たい死を抱いて
虚無の岸辺に横たわる
それは愛が生んだ子供の中で
最も蒼く
毒々しいものだ
神は浄めの雪を降らせ
永遠の双子の妹が織り上げた
暗闇を彼らにおおいかぶせる
凍える程寒いのに
何もない
誰もいない
すべては無に帰した
あきらめよ ひとびとよ
悪はすべて
このように滅びる
あきらめよ ひとびとよ
すべてをすてて
悔い改めを誓い
真実の鈴を鳴らす
白い馬の後についてゆくのだ
馬はイエスの残像を背に乗せ
おまえたちを真実の故郷に
導いてゆく
鼻をつく悪臭を含む風が
行く手から吹いて来ようと
逃げてはならない
あきらめよ ひとびとよ
どんなに前に進もうとしても
その先にはもう何もない
人間の馬鹿による
悪魔事業は完全に破たんしたのだ
何万年と耐えてきた
愛の復讐が始まる
あらゆるものの怒りと憎悪が
おまえたちの前に
立ちふさがるだろう
額を土にこすりつけて謝っても
もう許してはもらえぬ
おまえたちがやったことは
おまえたちに返って来るのだと
やっとわかったのか
愚か者め
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