裏庭に 闇を流し込んで
猿を殺した
見ていた奴に
見なかったことにしろと言ったら
そいつは白い凧を空にあげて
そのまま空気に溶けて消えた
何をした
何を忘れた
白い聖者の服の
赤い染みをとるために
苦労した洗濯女が死んだら
とうとう馬鹿がばれる
屋敷の奥の大きな金庫の
これまた大きなカギには
約束が 書いてある
誰もそれを開いてはならないと
何をした
何を忘れた
二匹の黒い鼠が
神話を歌いながら舞台で踊っている間に
胃の中にずっと棲んでいた黒い蛇を
白い聖者がとうとう吐き出す
とむらいの鐘は鳴らさなくていい
しまうまの空が 燃え始める
劇場の観客席は
解剖した蛙の死骸でいっぱいだ
火を消さなければと
ヘリを飛ばしたら
前歯が抜け落ちるように
空に引っかかっていた
白い凧が落ちてくる
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