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たくさんの美女が
氷上で姸を競っても
たくさんの美丈夫が
トラックで健脚を競っても
もう楽しくないのだ
オリンピアードは
金色のメダルを噛むために
表彰台の上で
まぶしいライトをあびるために
馬鹿どもがやっていることを
もう人間は見抜くことができる
ごらん
広い舞台の上で組み合っている
力士たちの麗しい肉体を
あれは絹の肉布団でできたロボットなのだ
たくさんの透明な幽霊たちが
人形のように操っている
盗んだ神の真珠を胸につけ
それがもはや
カラータイマーのように点滅している
ごらん
虚偽のボールを抱いて
踊る美女たちの怯えを
恥の冠をかぶり
魂がどこかへ逃げていこうとする
勝利者たちのゆがんだ笑いを
静かにしていなさい
破滅は星のように静かに降ってくる
一切が苦いことにならないように
競技場は神の手で閉じられる
あきれるほど澄んだ空が
虚偽と真実の二色で彩られた
おかしな人類の祭りを
高みからごらんになっているだろう
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