ネプトゥヌス・１１

神のいない空に覆われた
馬鹿者の国が沈んでいく

自分が一番偉い
自分が一番美しい
他のものはみんな
馬鹿でくだらないものだと
思っている馬鹿者の国が
愛に嫌われて
沈んでいく

何もない大空に
幻の神を描き
自分こそが
神に選ばれた聖者だと
沈黙の喉の奥で
叫んでいる
馬鹿者の国が
沈んでいく

流れてゆく
虚無の砂風が
強奪した金で建てた城を
むしばんでいくだろう

虚無の神の
祝福を受けた
傲慢の首都が
真実の蛇に噛まれ
腐れ落ちていくだろう

馬鹿者の国が
沈んでいく
愛ではないものの
しるしを額に受け
人民は
迷いの沼に
溺れていくだろう