メラク・３２

苦しいことや　痛いことから
逃げてはなりません
人間の心というものは　そういうものを食べて
感性のひだが深くなってくるのです

苦労ができる時には
よろこんで苦労しなさい
どんなに苦しくとも
未来を見る目を明るくして
今を耐えていきなさい

自分の心から流れる汗が
目に染みて
何度も何度も　泣いて　泣いて
生きることをかみしめて
心は花のように育ってゆく

敗北の土をなめ
破滅の穴に落ち
あらゆる苦い泥の中に飛びこみ
骨が割れるほどの叫びをあげ
自分の命をぶつけていきなさい

本当に大切なことは何なのかは
苦しい時を何度も何度も積み重ねて
わかってくる
甘い幸福を味わっているばかりでは
魂は腐ってしまいます

孤独の影の中で
おのれ自身と語り合い
心のありかを探っていきなさい
自分の中の　最も大事な器官を探しなさい
それが魂の庭です
あらゆる感性の源です

人間よ　すばらしい馬鹿をやった人間よ
あなたがたがやったことは
そのまま　あなたがたの顔に刻まれます
それは永遠に消えることはありません
あらゆるものが　それを見るたびに
人間がかつて何をやったのかを　思い出すことでしょう

しかし　これからの努力次第で
そのやったことの痕を
美しい初恋の花紋に
変えてゆくことはできるのです

愚かさを　愚かさのまま見捨ててはなりません
努力をしなさい　挑戦していきなさい
自分自身を　正しく生きなさい
あらゆる苦悩と苦痛を乗り越えながら
学んでゆきなさい

愛は　背を向け　離れていっても
けしてあなたがたを　忘れはしない
未来は
これから始まるのです