夕暮れの 砂浜で
いらくさの 網を
編みながら
君は言うんだ
いいのよ
わたしは 幸せにならなくても
幸せが何か 知っているから
だから 今は
あのこたちを
幸せにしてあげたいの
君の手は
いらくさで 傷だらけだ
ぶかっこうで 荒れているけれど
器用に すばやく動く
それは上手に
いらくさを 編んでいく
手拭いでかくした顔が
汗でぬれている
無心に編むんだね
君の愛する
だれかのために
ぼくは 何かを言いたくて
君のために
何かをしてあげたくて
でもなかなか
できなくて
涙が出そうになるのだけは
男らしくなくて
許せないから
ぐっと飲み込んで
やっと
星のため息みたいな
ひとことを言うんだ
きれいだよ
君の心