月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ガラクシア・9

2017-11-21 04:17:19 | 詩集・瑠璃の籠

夢を見なさい

遥かなる群神は
遠き夢を見る

今は片手につかめるほど
小さな砂の塊であるあなたがたが
いつか
星を転がすほどの
大きなものになる夢を

群神は
そのために
あらゆることをする
それを信じなさい

今がいかに絶望的であろうと
翻る極光のように
美しい幸せが来ることを

信じなさい
夢を
神の夢を

もう二度と
いやなことを
してはいけない




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ダリム・4

2017-11-20 04:16:03 | 詩集・瑠璃の籠

この世界の
すべての憂いをなんとかするためには
すべての存在が必要だ
だから憎みあってはならない

白人には白人の特質があり
黒人には黒人の特質がある
ほかもまたしかり
それは時に優劣の文様を描きながらも
それぞれの特性によって
何かを世界に投げかけている
そのようにして
世界はなっていく

悲しみは
違う者同士の間に生じる
妬み嫉み憎しみから起こる
人間はどうしても
自分と違う者に対して
大きな情感を持つ

それを嫌なことにしないように
何とかしなさい
自分の中にある
憎悪の深みが
御しがたいと思うなら
憎まないで済むように
上手に住み分けるのだ
傷つけあっては
互いをだめにする

無理をして
理想的段階を目指さなくともよい
今の自分に
乗り超えられない何かがあると感じる時は
相手を馬鹿にしないで済むような
方法を考えるのだ

人種差別の問題も
一朝一夕で解決できるものではない
これまで互いに憎みあい
殺しあってきた感情の泥沼がある
これから少しずつ
そこを清めていかねばならない

違いというものが産む
大きな感情が
焦りというほど小さくなるまで
努力をなさい
精進しなさい
できると信じて
今を生きるのだ




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セギン・19

2017-11-19 04:15:05 | 詩集・瑠璃の籠

怠りの罪を
岩のように抱き
絶望の湾に沈め
何もしなかったことが
いちばん重いのだ

愚弄の腕と
沈黙の腕に抱かれた
灰色の海に
鈍色の岩塊を抱いて飛び込め
二度と浮かんできてはならない

おまえは
正しいことをしている花を
踏みにじれと
猿に言った

おまえは
きよらかな夢を抱いている蝶を
たたきつぶせと
象に言った

自分は
何もしない
弱いネズミの皮をかぶり
影からあれが
死ぬほど苦しむ様子を
ほくそ笑んで見ようとしていたのだ

誰も知らないと思っていた
だれにもばれないと
憎いのは
自分が花のように美しくはないからだ
蝶のように働いていないからだ
なにもしないからだ

何もしないことの余剰を
おまえは永遠に
愛を愚弄し続けることに使うのか
でたらめばかりを吐きながら

全部掃かれる

怠りの罪の岩を
カタツムリのように背負ったものは
全てこの世界から
追い出される

愚弄の腕と
沈黙の腕に抱かれた
絶望の湾に飛び込み
永遠にここから去るがよい




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ヴィンデミアトリックス・31

2017-11-18 04:14:46 | 詩集・瑠璃の籠

神の美を盗み
愛をさかさまにし
永遠の女神として
世界に君臨しようとした
バビロンの大淫婦は滅ぶ

浅はかな見栄と嫉妬で
すべての正しい女を
崩し 虐げ 殺し
その姿を自分に写し
永遠に
たったひとりの女神になろうとした
バビロンの大淫婦は滅ぶ

すべての人間に
恥さらしの正体を見破られ
すべての男に捨てられ
永遠のやもめとなって
青いエデンを追い出される

二度とくぐることのない
追放の門をくぐり
塩の砂漠に向かい
そこで黄昏を食いながら
おそろしくおかしな醜女となって
すべての愛に尽くさなければならない

愚弄した女のすべてに
だました男のすべてに
鼠よりも小さな端女となって
永遠に仕えていかねばならない




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ガラクシア・8

2017-11-17 04:17:19 | 詩集・瑠璃の籠

嘘はもう滅ぶだろう
もう
いやなことはやめなさい
終わったのだ
すべては

人間の馬鹿は
いやなことをやりつくして
すべてに嫌われた
愛を
殺し尽くした

たった一つ
最後まで
信じてくれようとした愛を
大勢で愚弄しつくし
滅ぼした

その上
その姿を豚のように解体し
美を盗んで
自分に着せた

愛を愚弄したくせに
愛の顔をして
すべてをだまそうとしたのだ
ゆえに
馬鹿は追い出される
愛の世界から
永遠に追い出される

神はもう見ない
あれらの行く末は
別の物に託される
それは愛だが
失ってしまった愛と
同じものではない

人間が追い求めていた
本当の愛の国が来る
すべては
教えておいたはずだ
いずれ馬鹿はそうなると
何もかもに嫌われ
すべてを失うと

教えておいたはずだ




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ミンタカ・12

2017-11-16 04:15:57 | 詩集・瑠璃の籠

人は
苦しいことを言うたびに
何重もの鎖を
自分にかけていくのです
決してたがえてはならない約束を
神と交わすのです
ですから
不用意に人を馬鹿にしてはいけません

自分があまりに苦しくて
人が自分ではないというだけで
自分よりいいと思え
憎くてたまらず
巧みに愛を装って
人は苦しいことを言うことがある

自分を助けるために
自分を守るために
自分を正しいものにするために
巧みに愛とすり替えて
汚い嘘を言うことがある

それが自分にかける重い鎖になるのです
ただひとこと
自分を守るために言った
いやらしい嘘を守るために
あなたは十倍の苦労をせねばならなくなるのです

本当は自分が間違っていたのに
それを認めるのが嫌で
みんなが間違っていたことにするために
口から小魚を放つように
馬鹿なことを言うことがある
上手に化けたつもりの
狸の屁のような言い訳を
放つ時がある
それが時に
何千年と自分を縛る
鎖になることがあるのです

ものをいうときは気をつけなさい
あなたがたは何も知らずに
たくさんのことを言いすぎる
何げなく口にした
誰かへの小さな悪口が
永遠の鎖になることもあるのです




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セギン・18

2017-11-15 04:14:41 | 詩集・瑠璃の籠

幻の栄華の美酒に
酔っている馬鹿は
今足元を吹く
冷たい風におびえている

盤石だと思っていた
居城の壁が
白いまことに食われ
ビスケットのようにもろくなっている
そのことに
ようやく気付き始めている

何もかもは
最後の愛を消してしまった
そのことから起こった
愛は
悪の虚栄の居城さえ
その存在を支えていたのだ
それを消してしまえば
それはいっぺんに破滅へと傾く

意味という意味が
すべて消えてしまうからだ

何もかもは
愛が必要だったから
やったことなのに
その愛を
馬鹿はすべて滅ぼしてしまった

愛を殺して
自分のための
豚にするはずだった
そのために造った
永遠の居城が
すべて馬鹿になった
やっても何の意味もなかった
愚か者の無駄骨になったのだ

こんな馬鹿な時代は
永遠に続くかの振りをしていながら
胸の奥で
早く死にたいとさえ
思っている
だが死ねるはずもない

愛のない
冷酷の砂漠の真ん中で
馬鹿はひとり
考え続けるしかない

なんでこんなことになったのかと




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ラーン・14

2017-11-14 04:15:46 | 詩集・瑠璃の籠

時代の変わる風を感じて
あなたがたはもう
豊かなものを孕んでいる

受胎というものは
女性だけが味わえるものではない
はるかな高みから来る予感を
魂の中に受け止め
人は新たな自分を孕むものなのだ

変り映えのしない日々を
生きているかに見えて
内部でうごめく胎児のような
もうひとりの自分がいら立っている

早く産めと
ささやいているものがいる
つねに
自分と同じくらい近くに
それはいる
いや
それは自分自身なのだ

明日になれば
生まれるかもしれないその嬰児を
あなたがたは今
苦しく孕んでいるのだ
産みの苦しみが
どんなものであるかはまだ知らない
だが
やぶれかぶれになってでも
産み放ってしまいたい

自分を
本当の
自分を

この世界に
自分自身として
自分を産みたい
産まれたい

本当の自分として
叫びたい




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アンゲテナル・10

2017-11-13 04:16:25 | 詩集・瑠璃の籠

植物存在は
自らを
環境とすることを
学んでいる存在です

愛をたたえ
小さな存在を包み込み
すべてを与え
自らは動かず
愛で育てていく

すべての存在は
そういうことをしてくれる愛が
あるからこそ生きていけるのだと
学びなさい

自らを
風景にすることによって
あらゆる命を
愛していく

あなたがた人類もまた
いずれそういうことを
やっていかねばならないのです

自らは動くことをせず
すべてを愛の前に広げ
愛するものたちが
生きるための野に
自らなっていくのです




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アンゲテナル・9

2017-11-12 04:16:23 | 詩集・瑠璃の籠

無知というものが
わたしたちの最大の敵なのです
何も知らない者は
少しの知恵がついただけで
恐ろしく傲慢になり
たまらなく嫌なことをするようになる

なんでも自分の思い通りにしようとして
あさはかなことをし
みんなに迷惑をかける
そして反省もしない
みなの気持ちなど何もわからない
自分の中の世界しかわからない
ほかのことは何も知らない
そういうことが
一切わかっていないのです

そういうものが
動物的エゴのもとに
大勢で結集するとき
愛の世界を脅かす
恐ろしい怪物になる時がある
セックスがしたい
美しくなりたい
自分よりいいものを滅ぼしたい
ねたましい
うらやましい
全部馬鹿だ
そういうあまりにも醜い低級な心が
暗部で融合して
たまらなく嫌なものになるときがある

それをれぎおんというのです
大勢というのです
大勢には心はない
ただ
ものがほしい
という
いやらしいネズミのようなものが
うごめいているだけです
あまりにも原始的なエゴなのです

人間の初期段階でつまずいたものは
よくこの
れぎおんにとけていきます
そして何もわからないまま
神に噛みつき
あらゆる暴虐をなし
恐ろしい破壊活動をするのです

なにもない
というものが
大勢で結託し
恐ろしく低級なエゴを実行しようとする
それが
魔です

わたしたちは永遠に
これと闘っていかねばならない
魔が世界を滅ぼしてしまわないように
常に教えていかねばならない

救済とは
自己存在を
このような無知の闇から
救うことなのです




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