昨年、2015年の個人的感想をまとめてみました。
WBO:
*リング活動不活発のギレルモ リゴンドー(キューバ/スーパーバンタム級)、デメトリアス アンドラーデ(米/スーパーウェルター級)、試合承認料を払い渋ったフロイド メイウェザー(米/ウェルター級)、WBAのレギュラー王座は世界王座して認めないとして亀田 和毅(日本/バンタム級)の王座を次々に剥奪。少々強引かな?とも思いましたが、曖昧を通り越して存在意義のない「休養」、「名誉」、「暫定」王座を設置するよりよほどいいでしょう。
そしてWBOは腐敗団体WBAの王者として認めるのは「スーパー王者」のみと公に発表。この件はIBF、そして米国の有力雑誌等もそれに従う結果となっています。まさにあっぱれの一言に尽きます。
ヘビー級戦線に大変化:
もう10年ぐらいになるのではないでしょうか、最重量級がビタリ、ウラジミールのクリチコ兄弟に独占され続けたのは?その状況が昨年、兄ビタリが政治活動に本格的に専念したため変化しました。ビタリの後釜に就いたのがバーメイン スティバーン(カナダ)で、2015年1月に米国の新兵器であるデオンティー ワイルダーがスティバーンから王座を奪取。久々に本場米国に世界ヘビー級のベルトが舞い戻ってきました。その後2度の防衛戦も米国内で行っています。
しかし何と言ってもタイソン フューリー(英)が僅差ながらも明白な判定でウラジから王座を奪った事。王座交代劇での試合内容はさておき、長期政権にピリオドが打たれた歴史的事実は見逃せません。
日本ヘビー級の層の薄さは相変わらず。しかも存続が危ぶまれていますが、現在のところ藤本 京太郎(角海老宝石)の王座は認定されています。今後も年一でいいので定期的に王座戦を行っていってもらいたいです。
大英帝国の興隆:
*ヘビー級のタイソン フューリーを筆頭に、今年は同国勢の活躍が目立ちました。英国出身の主要4団体の世界王者たちは次のようになります(重い階級から)。
WBA(スーパー)/WBOヘビー級:タイソン フューリー(防衛回数0)
IBFスーパーミドル級:ジェームス デゲール(1)
WBOミドル級:ビリー ジョー サンダース(0)
WBOスーパーウェルター級:リーアン スミス(1)
IBFウェルター級:ケル ブルック(2)
WBAライト級(レギュラー):アンソニー クロラ(0)
WBOライト級:テリー フラナガン(1)
IBFフェザー級:リー シェリビー(1)
WBAスーパーバンタム級(レギュラー):スコット キッグ(6)
IBF:カール フランプトン(2)
WBAバンタム級(レギュラー):ジェームス マクドネル(3)
IBFバンタム級:リー ハスキンス(0)
*各王者はそれぞれそれなりの戦力を有しており、しかもそれぞれの階級で国内にライバルが存在しています。映像を通しての想像になってしまうのですが、それぞれの王者、人気も高そうです。
メイウェザー対パッキャオとその後:
*よくぞ実現してくれました。試合内容に対する批判もあったようですが、この一戦が行われたことだけでも価値があります。メイウェザーはこの一戦の後に一試合行い既に引退。パッキャオは4月に予定されるティモシー ブラッドリー(米)との第3戦目の後に引退すると発表しています。
体重が作れない:
*4月にWBOミドル級戦に出場予定だったピーター クイリン(米)、同月に日本フライ級王座の防衛戦を行う予定だった村中 優(フラッシュ赤羽)、5月に粟生 隆寛(帝拳)とWBOライト級王座を争ったレイムンド ベルトラン(メキシコ)、6月にWBAフェザー級のスーパー王座の防衛戦を行ったニコラス ウォータース(ジャマイカ)、11月にWBCミニマム級王座に挑戦した 永吉(韓国)、同じ月にIBFバンタム級王座統一戦に臨む予定だったランディ カバジェロ(米)、そして村中は昨年末に予定されていた上の階級での再起戦でも体重は作れず。
プロとしては恥ずかしい連中です。
無残なかつての英雄たち:
*無残な敗戦を喫したロイ ジョーンズ(米)、ジェームス トニー(米)、ドノバン ラドック(カナダ)。そして白星は重ねてはいるものの、戦力低下は否めないシェーン モズレー(米)。個人的にはもう引退をしてほしいです。
年を重ねても無様な試合を行わない怪物がバーナード ホプキンス(米)。現地時間の明後日に51歳の誕生日を迎えます。今春にスーパーミドル級で世界挑戦を行い、その一戦後に引退をしたいと以前(11月ぐらい)から言っています。当初のターゲットはWBO王者のアーサー アブラハム(独)でしたが、その後の交渉がどうなっているのかは分かりません。
非常に話題性に富んだ2015年:
*年末に日本で再び怒涛の如く世界戦ラッシュがありました。各試合で好試合が見られましたが、どの興行も視聴率は苦戦していた様子。
2015年は最初の数ヶ月、これと言った大きな試合もなく比較的ゆっくりなスタートをきりました。しかし最終的には非常に話題あふれる1年間でした。今年2016年にはブラジルで五輪が行われるためボクシング界にも何らかの影響が出てくるでしょう。メイウェザー、パッキャオ、ウラジの後継者争いが焦点になっていくのではないでしょうか。