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上野不忍池で昨日から始まった「さつきフェスティバル」に行った。
鉢植えの見事なさつきが展示され、その美しさを競っている。
盆栽としてのさつきの素晴らしさを堪能して帰る途中の公園で、男性に声をかけられた。
「この間の雨は凄かったねぇ」
「そうですね、雷もなりましたね」
「今日は大丈夫かな」
「何とか持ちそうですよ」
たわいのない会話でその場を立ち去ろうとすると、彼は言った。
「栃木から来たんだが、友達を探しているんだよ」
「どこにいるんですか?」
「この公園の中」
「えっ、どういう事?」
「ここで生活してる」
「ということは、ホームレス?」
彼の友人は2週間前に家を出て、ここで生活をはじめたという。奥さんと一緒にいるのが嫌で出てきたそうだ。
「連れ戻そうと思ってきたんだが、連絡が取れないんだよ」
携帯を持っているが通じないという。
「これから探さなくちゃ」そう言って、持ってきたおにぎりを食べ始めた。(僕の大事な息子のおにぎりではない)
友達の分も持ってきているが食べるかと聞く。
遠慮したが、彼のいそうな場所を教えて(何故、僕が教えるのだろう?)その場を立ち去ると、公園内の噴水の傍にはなぜか多くのホームレスがいる。
不思議に思いながら見ると、傍で一台のトラックから荷物を降ろしている。聞くと、キリスト教の団体が炊き出しをするのだという。
週3回、ここで福音を説き、彼らに食事と飲み物を振る舞うのだそうだ。常時500人くらい、多い時には700人が集まるという。
もう一度彼のところに戻ってその事を告げ、友人が見つかる事を願いながら、家路についた。
僕の知り合いに、ホームレスの終末ケアーの施設を運営している人がいる。過去に2度ほどその施設を訪れ、微力ながら届け物をしたことがある。
彼のような高い志は持つべくもないが、それまでホームレスに何の関心もなかった僕に、一つのきっかけを作ってくれた人でもある。彼の事はいつか取り上げようと思っている。
ホームレスと一言では片付けられない、彼らには彼らの事情もあるようだ。
注・このテントは僕の住まいではありません、ここは上野公園ですので、念のため。
2006.05.27