春暁

春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少

春眠暁を覚えず
処処に啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知んぬ多少ぞ
処処に啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知んぬ多少ぞ

春あけぼのの うすねむり
まくらにかよう 鳥の声
風まじりなる 夜べの雨
花ちりけんか 庭もせに
訳詩・土岐善麿さん
まくらにかよう 鳥の声
風まじりなる 夜べの雨
花ちりけんか 庭もせに
訳詩・土岐善麿さん

春のような暖かな日が続くこの冬は、花々の開花の早さが毎日のニュースを飾る。
早朝の目覚めに寝ぼけ眼でトイレに行くも、真っ直ぐ歩けない。めまいがする。
あれっ、変だぞ!
そうだ、昨夜飲みに行ったっけ♪
千春ちゃんの競技会での優勝祝いにと、彼女を紹介したお客様に招待を受けたのだ。彼女も気に入られ、とても大事にしてくれるという。僕にとってもうれしいことである。
このお客様、会社を経営しているのだが、少しもそんな素振りは見せず、また偉ぶることもない。ユーモア溢れる話に、酒が飲めないわけではないが、下戸の僕にとって、少々飲みすぎた。弾む話に気分も良く、お客様の勧め上手もあり、生ビールでの優勝を祝しての乾杯のあと、日本酒を勧められた。味もわからないまま、数種類の銘柄から耳馴染んでいた「越乃寒梅」を所望する。
このお酒、燗はつけないで飲む酒だという。それではと「冷」で飲む。洒落たグラスと雰囲気の良さに、数杯のグラスを傾ける。
ダンスをはじめ、ゴルフ、音楽、観劇、etc、と、多趣味でもある50代半ばと思しきこのお客様。マラソンも海外の市民マラソンをはじめ、国内のマラソンにも参加するが、今年の東京マラソンは抽選に外れた。そのため先日は沖縄の名護マラソンで走って来たそうだ。東京マラソンではボランティアで走路の整備を引き受けたという。
来年は是非抽選に当たって我が浅草を走ることを願い、応援に行く約束をして別れた。
ほろ酔いというには足元もおぼつかず帰路につき、昨夜は早めに床に就いたのだった。
たまにはこんな春の宵に酔い、ほろ酔い気分の春暁も悪くない。
2007.02.22