勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

翠雨

2007-05-02 10:51:10 | Weblog
 雨で始まった東京の5月。ひと月前には桜色に染まった上野公園は、雨により鮮やかさがいっそう増した緑に萌え、色とりどりの傘の花が咲いていた。

 雨に濡れた卯の花が、一段とその白さを際立たせ、木々の緑に映え、翠雨(すいう)というにふさわしい翠(みどり)の雨は、花々を生き生きと息づかせている。

五月雨(さみだれ)を集めて早し最上川

 と松尾芭蕉はうたったが、この五月雨は陰暦5月、今の6月のことで、梅雨時の長雨をいうらしい。


 五月晴(さつきばれ)れも本来は、五月雨と同じように陰暦の5月のことで、“梅雨の間にときどきある晴れ・梅雨晴れ”のことを言ったそうだ。しかし、今では“新暦五月のすがすがしい晴れ”のことを指すようになり、こちらの方が定着してしているという。
大辞林で調べてみた。

五月晴れ

① 新暦五月頃のよく晴れた天気。
② 陰暦五月の梅雨の晴れ間。梅雨晴れ。

 五月晴れは①のように現在の5月をいうようになったが、五月雨はあくまで陰暦5月、つまり梅雨時の雨をいうのだそうだ。(知らなかったぁ♪)

 五月の文字が付くもうひとつの言葉「五月蠅い」。ご存知のように「うるさい」と読む。「五月蠅」は「さばえ」と読み、陰暦5月ごろ、いまの6月ごろに子蝿が発生し、むらがり騒ぐことから「五月蝿」におくり仮名の「い」をつけて、うるさいと読ませるようになったという。

(NHK放送の「気になる言葉」から、ことばおじさんのお話です)

日本語って知らないことがたくさんあり、知ると面白いですねぇ♪
 
 上野公園で、写真を撮っていると、手にノートを持ったご婦人が、「この花の名前はなんですか?」と尋ねてきた。「シャガです」と言うと、「ありがとうございます」と言って立ち去った。吟行にでも来ていたのだろうか。5月の雨は風流だ。
2007.05.02