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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

一事不再理の原則

2008-02-25 16:21:07 | Weblog
 イギリスの慣習法に、何人(なんぴと)も同一犯罪について再度の危険にさらされることはない、という原理があるそうだ。

 「人はひとつの事件で二度処罰されることはない」、という意味で、近代刑事思想の基本原理のひとつであり、これを一事不再理の原則というらしい。

 日本国憲法(三十九条)でも、「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない」と、定めているという。


 アガサ・クリスティ原作の「情婦」(原題は「検察側の証人」)という映画があった。40年以上前の映画である。数あるアガサのミステリー映画の中でも、群を抜く面白さである。

【この結末については、どうか秘密をお守りください】

 舞台劇としての上演にも、また映画上映にも、観客に協力をお願いした文言である。そして観客はこれを守ったといわれる。出演俳優に渡されたシナリオも、結末の十数ページは欠けたままで、完成間近まで明かされなかったそうだ。

 そのほとんどが、裁判所の法廷を舞台に繰り広げられるドラマであるが、息もつかせぬ緊張感で終盤を迎える。そして、最後に起る思いもよらぬ大どんでん返しには、唖然として、席を立つ力も失うほどであった。この映画、「一事不再理」がテーマである。


 いまや伝説の女優(歌手)ともいえるマレーネ・ディートリッヒ、ショパンのノクターンが主題曲にもなった「愛情物語」のタイロン・パワー、老練のチャールズ・ロートンの三人の演技の秀逸さも見逃せない。敏腕弁護士チャールズ・ロートンの最後の言葉、「これからまた忙しくなるぞ」が耳に残る。

 ところで日本にも素晴らしい演技力を持つ一般人がいる。K.M.という人物のロス疑惑での演技力には上述の三人も及ばないだろう。そのK.M.がアメリカで逮捕されたとのニュースにビックリ。この結末、映画のような大どんでん返しが待っているのだろうか。