勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

羽衣

2012-05-08 22:57:36 | Weblog
 窓を開けると若葉を吹き抜けた爽やかな初夏の風が、新緑の香りを運んでくる。そんな風薫る筈の5月、突然襲った突風は竜巻となって多くの被害を出した。自然の脅威の前に人はなす術がない。

 薫る風より少し強い5月の風を青嵐と呼ぶらしい。そんな初夏の風に吹かれながら道を歩いていると、どこからともなく漂ってくる香りに包まれる時がある。そこには、植え込みに蔓を伸ばした羽衣ジャスミンの白い花が、星のように煌いている。


 我が家のベランダに吊るした羽衣ジャスミンが数日前に花開き、5月の風に揺れながら、馥郁(ふくいく)たる香を放っている。朝、窓を開けてベランダに出るとき、夜、風呂上りの身体をベランダの風に委ねるとき、羽衣ジャスミンの香りが初夏を告げる。風よ、竜巻となって吹き荒れないで、若葉の香りを届ける羽衣のようなやさしい千の風になって、爽やかな5月の空を吹きわたってくれ。