勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

世紀の野外劇

2012-05-21 20:00:54 | Weblog
 目覚ましの音で目醒めた午前5時半、眠い目を擦りながら、事前に買い揃えた日食グラスと、太陽撮影用フィルターを取り付けたカメラと三脚を手に、隅田川テラスに急ぐ。天気が危ぶまれた世紀の天体ショーは、日食が始まる直前まで雲が広がる怪しげな雲行き。


 天体ショーが始まる午前6時20分が近づくにつれ、徐々に雲は南へ流れ、太陽が顔を出す。欠けはじめた太陽は、時には雲間に隠れながらも、午前7時32分頃から約5分間、見事な金の輪を初夏の空に描き出したのだった。


 その時間になると気温も下がったのか、冷たい空気が肌を刺す。突然ヘリコプターが轟音を轟かせながら低空飛行をするのは、スカイツリーを通した金環日食を撮影でもしているのだろうか。


 2時間半を超える大空を舞台に繰り広げられた、僕にとって二度と見ることのできない野外劇は、眠気もどこかへ追いやって、宇宙で繰り広げられた神秘のショーを無料で届けてくれたのだ。


 ショーの開幕時はまばらだった隅田川テラスの観覧席は、大パノラマ劇が佳境に入る頃には、日食グラスとカメラを覗く人・人・人。


 天体ショーがクライマックスを過ぎ、太陽が再び顔を覗かせはじめた頃からひとりふたりと人影が散り、観客席はやがて誰もいなくなった。午前9時02分過ぎ、月と太陽が織りなす野外劇は終わりを告げたのだった。

三社祭

2012-05-21 01:56:57 | Weblog
 浅草の夏は三社と共にやってくる、などといわれる下町の初夏の風物詩・三社祭が金曜日からの三日間に亘って開催され、浅草の街は祭り一色に塗り替えられた。


 昨年は東日本大震災による自粛で中止になったが、快晴に恵まれた土曜日、2年ぶりに町内神輿は浅草寺の本堂前から、それぞれの町内に向かっての渡御が行われた。
 

 青空の下、神輿の上の鳳凰も、開業間近に迫った東京スカイツリーに飛び移らんばかりに羽を広げ、羽ばたこうとしているかのよう。



威勢のいい掛け声を響かせての渡御は、浅草に再び活気を取り戻す呼び声にも聞こえてくる。


 担ぎ手が神輿に乗り、担ぎ棒が毀損したこともあり、神輿に乗る行為を禁止したにも拘らず、再び乗ったことから一時中止になった本社神輿の宮出しも行われた日曜日の早朝。



多くの担ぎ手で埋まった浅草寺本堂前を出発した3基の神輿は、担ぎ手を変えながら町内に消えていく。




しかし、神輿の後には、今までは見られなかった大勢の警察官が続き、異様な光景が繰り広げられる。



それは、担ぎ手が再度神輿に乗ることを監視しているかのようでもあり、その時は再び宮出しの中止にするという。


大人の思惑など知ってか知らずか、無邪気な子供たちのかわいらしさに、思わず笑みがこぼれるお祭りの一日は過ぎて行く。





子供たちに負けじとお祭りを楽しむいなせな3兄弟も、愛嬌を振りまいていた。



お祭りというものは、人間だけではなく、動物も血が騒ぐものらしい。