目覚ましの音で目醒めた午前5時半、眠い目を擦りながら、事前に買い揃えた日食グラスと、太陽撮影用フィルターを取り付けたカメラと三脚を手に、隅田川テラスに急ぐ。天気が危ぶまれた世紀の天体ショーは、日食が始まる直前まで雲が広がる怪しげな雲行き。
天体ショーが始まる午前6時20分が近づくにつれ、徐々に雲は南へ流れ、太陽が顔を出す。欠けはじめた太陽は、時には雲間に隠れながらも、午前7時32分頃から約5分間、見事な金の輪を初夏の空に描き出したのだった。
その時間になると気温も下がったのか、冷たい空気が肌を刺す。突然ヘリコプターが轟音を轟かせながら低空飛行をするのは、スカイツリーを通した金環日食を撮影でもしているのだろうか。
2時間半を超える大空を舞台に繰り広げられた、僕にとって二度と見ることのできない野外劇は、眠気もどこかへ追いやって、宇宙で繰り広げられた神秘のショーを無料で届けてくれたのだ。
ショーの開幕時はまばらだった隅田川テラスの観覧席は、大パノラマ劇が佳境に入る頃には、日食グラスとカメラを覗く人・人・人。
天体ショーがクライマックスを過ぎ、太陽が再び顔を覗かせはじめた頃からひとりふたりと人影が散り、観客席はやがて誰もいなくなった。午前9時02分過ぎ、月と太陽が織りなす野外劇は終わりを告げたのだった。、
天体ショーが始まる午前6時20分が近づくにつれ、徐々に雲は南へ流れ、太陽が顔を出す。欠けはじめた太陽は、時には雲間に隠れながらも、午前7時32分頃から約5分間、見事な金の輪を初夏の空に描き出したのだった。
その時間になると気温も下がったのか、冷たい空気が肌を刺す。突然ヘリコプターが轟音を轟かせながら低空飛行をするのは、スカイツリーを通した金環日食を撮影でもしているのだろうか。
2時間半を超える大空を舞台に繰り広げられた、僕にとって二度と見ることのできない野外劇は、眠気もどこかへ追いやって、宇宙で繰り広げられた神秘のショーを無料で届けてくれたのだ。
ショーの開幕時はまばらだった隅田川テラスの観覧席は、大パノラマ劇が佳境に入る頃には、日食グラスとカメラを覗く人・人・人。
天体ショーがクライマックスを過ぎ、太陽が再び顔を覗かせはじめた頃からひとりふたりと人影が散り、観客席はやがて誰もいなくなった。午前9時02分過ぎ、月と太陽が織りなす野外劇は終わりを告げたのだった。、