勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

弥彦山

2012-05-25 22:31:13 | Weblog
 平均年齢74歳、合わせて667歳、スカイツリーより高い高齢者軍団の弥彦詣では、決して怪しげな宗教団体ではない。ちょっとだけ好奇心旺盛な老人パワー溢れる、もの好き兄弟姉妹たちである。前夜の盛り上がりにも関わらず、朝の目覚めが早いのは、いわずと知れた歳のせいか。午前5時には、まだ夢から覚めない僕の頭上で会話が飛び交う。眠い眼を擦りながらの朝風呂のあと、末弟の提案で近くの弥彦公園のもみじ谷へ二人で朝の散歩に出かける。もうひとりの弟の「金髪」は、再度弥彦神社への参拝に行った。


 紅葉の季節ではないが、眼の覚めるような新緑に、このもみじ谷が真っ赤に染まった時のことを思い浮かべると、再び訪れたい気持ちになる。


 散歩の後は、これから登る予定の634mの弥彦山への準備に足湯でリラックス。山頂の360°のパノラマを期待するも天気は不安定。回復傾向にあるものの、山の上はガスで覆われている。9合目までは車を使うが、残りは歩かなくてはならず、平均年齢を超える誰かが言った。「弥彦山へは若い人だけで行けばいいよ」。すかさず僕は聞いた、「えっ、若い人って誰?」。


 というわけで若者(?)6人で車に乗ったが、9合目までの曲がりくねった山道は、ガスで数メートル先も見えないほど。弟の「金髪」の安全運転を頼りに着いた9合目も霧の中。山頂へは徒歩で上らなければならず、そこで年上の2人が脱落し、結果として4人の若者(?)になった。


 この道は山裾からのハイキングコースでもあり、行き交う人との挨拶や会話を楽しみながらも、スカイツリーの高さと同じ634mを目指す。


 山頂では霧が晴れるのを期待するが望み薄。霧に煙る緑を恨めしげに眺めながら、それでもただひたすら頂上に歩を進める。



晴れていればこの先には、日本海に浮かぶ佐渡島が一望できるはずだった。



山頂の奥社にたどり着いたが、そこはやはり霧の中。


 634mの山頂に立つも、ここから見えるはずの越後平野も、日本海も、佐渡ヶ島も、すべてが五里霧中。スカイツリーと同じ高さの体感は、霧の中へと消えたのだった。