勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

弥彦神社

2012-05-24 23:58:37 | Weblog
 世界一の電波塔東京スカイツリーが開業し、墨田区界隈は大賑わいである。その開業の日、東京を後にして向かった先は、スカイツリーと同じ634mの高さを誇る弥彦山。この山は新潟県の弥彦村にあり、日本海や佐渡まで一望でき、山頂公園には360°の大パノラマが楽しめる100mの高さの回転展望塔があるという。


 そもそもこの弥彦村に来た一番の目的は、弥彦神社にお参りをすることであった。きっかけは、この春のお彼岸の墓参りで兄弟が集まった時、弟の金髪が洩らした一言からである。「偶々お参りする機会があり、商売繁盛の祈願をしたところ、仕事が忙しくなった」と話したことが長姉の心を動かしたようだ。

 両親が健在の頃、約20年間に亘り毎年兄弟が集まって、両親と共に車での温泉旅行を欠かしたことがなかったが、両親が他界してからは、その機会も少なくなっていた。そんな折、突然決まった旅行の話に、これが最後になるかもしれないと集まったのは、亡くなった長兄を除く6人兄弟とその連れ合いと義姉を含む、全員が60歳を過ぎた9人の高齢者団体。

 2台の車に分乗しての旅行は、高齢化社会の象徴でもあるかのような年寄り軍団。「まるで老人ホームの旅行みたいだね」と末の弟の耳元で囁くと、返ってきた応えは「もっとひどいかも・・・」。最年少の末弟が60歳、最高齢は86歳であり、平均年齢74歳、全員の合計年齢はなんとスカイツリーより高い年齢の667歳である。といっても何の自慢にもならないが。。。 


 途中で昼食や休憩をとりながら、関越自動車道を走ること約5時間、目の前に大鳥居が聳える弥彦村に着く。スカイツリーが世界一の電波塔なら、この弥彦村にある大鳥居は日本一の大鳥居と、弥彦神社の案内にある。


 無神論者ではあるが、苦しいときには神頼みをするご都合主義者でもある僕は、自分に都合のいいことは否定しない。何をお願いしようかと迷っていると、「縁結びでもお願いすれば」と誰かが言った。


 それは神様が困るだろうと、お願いしたのは商売繁盛。それとて、ちょっと手遅れの感は否めないが、それはそれ、ご利益を期待しよう。


 記念撮影後の夕食は遠慮のない会話が飛び交い、笑い声に包まれる。楽しい時間が過ぎるのは早く、男女に分かれての部屋でのお喋りにも花が咲く。 


 こうして小雨がぱらついた肌寒い一日目の夜は更けて行き、我ら年寄り軍団は、明日の天気の回復を祈りながら、眠りに就いたのだった。