ひとりでに芽を出し、ひとりでに成長し、ひとりでに花を咲かせ、ひとりでに実が生って、ひとりでに熟した我が家のトマト。部屋の中でその成長過程を楽しませてくれたかわいいトマト3姉妹だが、真っ赤に完熟したそのひとつをついに収穫した。
ちょっと小ぶりではあるが、立派なトマトである。一晩冷蔵庫で冷やし、塩を付けてまるごとかぶりついた。間違いなくトマトの味がする。それもスーパーで買ったトマトより、はるかにトマトの味である。それは決して贔屓目ではなく、ちょっとの驚きと小さな感動が入り混じった甘酸っぱい味でもあった。残りの2姉妹も日毎に赤みを増してくる。ただ水遣りをしただけの、こんな小さな物言わぬトマトでも、誇張ではなく我が家で育ったという愛着がある。福島の畜産農家が、手塩にかけて育てた家畜を殺処分した悲しみと無念さを、ふと思ったトマトの収穫でもあった。
ちょっと小ぶりではあるが、立派なトマトである。一晩冷蔵庫で冷やし、塩を付けてまるごとかぶりついた。間違いなくトマトの味がする。それもスーパーで買ったトマトより、はるかにトマトの味である。それは決して贔屓目ではなく、ちょっとの驚きと小さな感動が入り混じった甘酸っぱい味でもあった。残りの2姉妹も日毎に赤みを増してくる。ただ水遣りをしただけの、こんな小さな物言わぬトマトでも、誇張ではなく我が家で育ったという愛着がある。福島の畜産農家が、手塩にかけて育てた家畜を殺処分した悲しみと無念さを、ふと思ったトマトの収穫でもあった。