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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

早春賦

2008-02-10 21:40:15 | Weblog
 立春が過ぎたはといえ、東京は昨夜も雪が舞う寒い日が続いている。そんな中、数ある春を告げる花の中でも、その名も今の時期にふさわしい「セツブンソウ」が咲いていた。
 枯葉に埋もれた球根から、控えめに、うつむき加減に顔を出した小さな花は、目を凝らして見なければ見過ごしてしまいそう。
 小さくても、目立たなくても、寒くても、自分の役割を果たすため、節分のころには忘れずに芽を出し、控えめに、それでも美しく花開く節分草。


暖かい春の陽ざしを
ポカポカと背中に受けて
平らな道をのんびりと歩いてゆく・・・・・

そんな調子のいいときばかりはないんだな
あっちへぶつかり
こっちへぶつかり
やることなすこと
みんな失敗の連続で
どうにもこうにも
動きのとれぬことだってあるさ

それでも
わたしは自分の道を自分の足で
歩いてゆこう
自分で選んだ道だもの・・・・・

雨の日には雨の中を
風の日には風の中を

涙を流すときには
涙を流しながら
恥をさらすときには
恥をさらしながら
口惜しいときには
「こんちくしょう!!」と
ひとり歯ぎしりを咬んでさ
黙って自分の道を歩きつづけよう
愚痴や弁解なんて
いくらいったッて
何の役にも立たないもの・・・・・

そしてその時こそ
目に見えないいのちの根が
太く深く育つときだから
何をやっても思うようにならない時
上にのびられない時に
根は育つんだから・・・・・

雨の日には雨の中を
風の日には風の中を




-相田みつをさん-


この詩を、知り合いのある若い父親に捧ぐ・・・

産地直送

2008-02-09 21:22:12 | Weblog
埼玉の姉からメールが届いた。

【件名】 明日  【本文】 午前中いますか?

返信した。

[件名] Re:明日  [本文] いますよ。何か・・・?

返信の返信

【本文】 息子がちょっと寄りたいそうで~す、宜しく。

 ということで、甥が届けてくれたのは、姉の手料理数種類と自家製の梅干。そして隣町の日高市で生まれた産地直送の地玉子。

 ずっしりと重い大きなたまごは、スーパーで買ったMサイズのたまごと比較するとお分かりいただけると思うが、何よりも黄身の色と形が違う。

 そして梅干は、小ぶりだが実家の庭になった梅を漬けたものだという。何年も前のこと、姉が漬けた梅干を、はじめて貰ったとき、思わず叫んだ。「あぁ~!梅干ってこの味なんだよ!」。それは子供のころ母が漬けた、ちょっとしょっぱいが添加物の入らない純粋なあの梅干の味だった。市販されている添加物たっぷりの梅干に慣れた舌には、驚くほど新鮮だった。

 産地や銘柄、賞味期限の偽装、薬物混入などの事件が頻発する昨今、何を信じていいのかわからない。そんな時、一番信用できるのは、生産者の顔も見えない大手の製品より、手作りに命を懸けた個人の顔が見える製品ではないだろうか。これからは個人生産者や、個人商店がもっと見直される時代になって欲しい。そこに安心も生れる。個人で頑張っている人たちも多いのだから・・・。

針供養

2008-02-08 16:06:49 | Weblog
2月8日は針供養の日

 浅草寺境内にある淡島神社の御宝前にて行われる針供養。日頃使っていた針への感謝をこめて、折れ針を納め供養する行事だという。

 巨大豆腐に挿された無数の針、我が心の棘針も納めてみたが、全部は納めきれない。さて、どうしたものか・・・?


◇ だれもが棘を ◇

だれもが
棘を持っています
外に向いているか
内に向いているか
それだけのちがいです

-星野富弘さん-

キルト

2008-02-06 22:38:37 | Weblog
 第9回キルト日本展が、上野の東京都美術館で今日から開催されている。ブログでの長いお付き合いをさせていただいている、陽子さんの銅賞受賞作品が展示されていると聞き、コスモスさんと待ち合わせて行ってきた。
 小雪の舞う寒い日にもかかわらず、多くの人が見入る素晴らしい作品の数々は、作者の情熱が伝わってくる。

 「サークルゲーム」と題した陽子さんの手の混んだ作品は、彼女の想いが一針一針にこめられ、見事な図柄を描き出し、思わず顔を近づけて見入ってしまう。
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陽子さんの作品です(マウスオンでご覧ください)

 ひと通り見終わった我々は、授賞式が済んで会場に現れた陽子さんを見逃すわけにはいかない。作品の前でお友だちと話している女性に声をかけた。「陽子さんですか?」    

 はじめての対面に感激、ご主人も紹介していただいた。更に陽子さんを通じてブログにもコメントをいただく、oliveさん ともお目にかかれ、楽しいひとときが過ごせたことを、コスモスさんとともに喜び帰途に着いた。

2008-02-05 20:06:44 | Weblog
 マンションのエレベーター、乗って真っ先に押すのが『閉』のボタン。次に行き先の階のボタンを押す。少しでも早く目的の階につくように。どちらを先に押せばより早いかは試したことはない。気分の問題である。公共の建物内では、まず目的の階のボタンを押し、人が乗ったのを確認して「閉」ボタンを押す。

 米国勤務から帰国したばかりのある人、エレベーターの中で舌打ちされたことがあるという。行き先のボタンを押したまま立っていると、若い男が「チェッ」といいながら、腕を伸ばして「閉」のボタンを押したそうだ。

 彼によると、米国では「閉」ボタンは押さずに扉が閉まるのを待つのが当たり前。高々2~3秒のこと。それに慣れていた彼は、日本人のせっかちさに驚いたという。

 最近自分のせっかちさに気づかされた僕だが、エレベーターで「閉」を押す僕は、やはりせっかちなのだろうか。エスカレーターでは歩くことはしない。横断歩道で信号が点滅を始めたら、走らずに次の青になるまで待つ。それは年齢から来るものかもしれないが。

 先日はレジでの支払い方法の話をした。後ろに並んでいる人に迷惑を掛けたくないという配慮と、自分のもたつきが許せないから、レジの会計を待つ間に小銭を全部出しておく。マンションでエレベーターを降りるとき、他に乗っている人がいれば、その人のために「閉」ボタンを押してから降りる。

 米国では皆おおらかで、他人のモタモタにも寛容だという。都内の駅のエスカレーターは通勤時間帯は、スピードが速くなるところもある。はたしてその必要があるのだろうか?しかしエレベーターで「閉」ボタンを押さずにはいられない僕ではある。やはりせっかちなのだ。

白い恋人

2008-02-04 00:00:29 | Weblog
日曜日、まだ明けやらぬ早朝の、寝ぼけ眼に飛び込んできた白い世界に眼も冴えた。

『 雪 』

太郎を眠らせ
太郎の屋根に雪ふりつむ

次郎を眠らせ
次郎の屋根に雪ふりつむ

-三好達治さん-


冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいとしろきも・・・

  清少納言は枕草子の中で、冬は早朝がいい。雪の降る朝はいうに及ばず、霜の朝の寒さにも趣きがある、といっている。

 雪が降ると、なぜか心が踊る。雪は童心への回帰。雪は白への憧憬。雪は静けさの象徴。しんしんと音なき音が聞こえてくる。


 昼のべたべた雪は、夜になって雨になった。朝には凍るかもしれない。凍った道は足をとる盗っ人、白い恋人は油断大敵。

福は内

2008-02-03 00:03:42 | Weblog
月も朧に白魚の
篝(かがり)も霞む春の空
つめてえ風もほろ酔いに
心持ちよくうかうかと
浮かれ烏(がらす)の只一羽
塒(ねぐら)へ帰(けえ)る川端で
竿の雫か濡れ手で粟
思ひがけなく手に入(い)る百両
ほんに今夜は節分か
西の海より川の中
落ちた夜鷹は厄落とし
豆だくさんに一文の
銭と違って金包み
こいつぁ春から縁起がいいわぇ

 ご存知、歌舞伎「三人吉三」で、お譲吉三が大川端で吐く名台詞である。節分が過ぎると立春、いよいよ春である。とはいっても本格的な寒さはこれから。東京の節分の朝は雪の予報。
 冬の木の代表格・柊(ひいらぎ)は、年とともに葉のトゲトゲがなくなり、丸くなるという。歳は取ったが角が取れず、トゲトゲな僕とは大違い。柊の葉のように年を重ねて丸くなる日はいつのことか。

 節分に柊と鰯の頭を玄関先に飾るのは、その棘と痛みやすく弱い魚・鰯の匂いに、鬼も退散するというわけか。 

◇ いわし ◇

いわしを食べようと くちをあければ
いわしも くちをあけていた
いわしを 私のくちに運ぶのは母
見れば その母のくちも
ア~ンと大きく 開いていた

いわしは 水から干されたため
私は それを食べるため
母は 子を思う心から

たえまなく咀嚼(そしゃく)を続ける
“時”という くちのまっただ中で
二人と二匹のいわしが精一杯くちを開いている
ささやかな 昼めし時

-星野富弘さん-

 「鰯の頭も信心から」 というが、信心深くない我が家にも、そろそろ福が舞い込んで来ないものだろうか。それには、柊のように棘がなくなるまで、“時”という大きな口の中で、たえまなくおのれを咀嚼し続ける必要があるのかもしれない。

怪奇現象

2008-02-02 02:48:27 | Weblog
 我が家には小さいが仏壇がある。毎朝線香を焚いて手を合わせるが、忙しいときは時々忘れることがある。仏壇の上に物を乗せてはいけないと聞いたことがあるが、今年は一緒に正月を祝おうと、寿鶴を折って乗せていた。

 ある日、その鶴が後ろ向きになっていた。掃除をしたときにでも動いたのだろうと元に戻した。何度かそんなことがあったが、気にも留めなかった。しかし、昨日掃除をしたとき正面を向けて置いたのに、今日仕事から帰るとまた後を向きかけている。一日でこんなに動くのははじめてだ。
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マウスオンでご覧ください

 暖房はエアコンの風が嫌いなので、オイルヒーターを使っている。電気代も掛かり、温まるのは遅いが、安全性とやわらかな暖かさが気に入っている。多少の空気の対流はあるかもしれないが、部屋の中に風は起らない筈だ。他の小さな軽いものも動いた気配はない。

 そういえば今年はまだ墓参りに行ってない。催促でもしているのだろうか。科学的な証明のない、超能力や怪奇現象をまったく信じない僕だが、この現象はちょっと不思議な気がする。明日は墓参りに行ってこよう。

 念のため、この鶴の置く場所を変えてみた。はたして動くだろうか?故人が現れてくれるなら歓迎するのだが・・・♪

共存

2008-02-01 00:15:31 | Weblog
レトロな街・浅草を走る、レトロな乗り物・人力車は、浅草の名物でもある。
 浅草の街を歩くと必ず眼にする人力車、いまや下町の風物詩となっている。雷門前の歩道には常時客待ちの人力車が停まり、歩行者の妨げになるとの苦情もあったらしい。

 そこで、歩行者の邪魔になならないようにと、車道に専用乗り場が設けられ、駐車禁止の標識も「人力車を除く」と書き換えられた。

 車道上に約20台が停められるようにし、ナンバープレートを取り付け、整然と並んだ人力車は、「タクシー乗り場」のような形で客待ちをする。人と車と人力車の共存は、浅草の新しいシンボルでもある。

 一方、世田谷区に続き、杉並区のJR阿佐ヶ谷駅の都道では、自転車と歩行者のトラブル解消に向け、車道に自転車専用帯を設ける実験も始まったという。

 車に対しては弱者の自転車も、歩行者には加害者になりかねない。自転車の規則も大幅に見直され、厳しくなったが、自転車はエコにも優しく、上手に利用したい。しかし、駐輪場の問題もあり駅前に停めると撤去されてしまう。

 人と車と自転車の共存も、人力車同様もっと考える必要があるのではないだろうか?