歩くたんぽぽ

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eiga.『ニューオリンズ・トライアル』

2011年05月12日 | 映画
たんぽぽのわがまま映画批評No.1
『ニューオリンズ・トライアル』アメリカ/2003
監督:ゲイリー・フレダー
脚本:ブライアン・コッペルマン、デヴィッド・レヴィーン、マシュー・チャップマン、リック・クリーヴランド
原作:ジョン・グリシャム
音楽:クリストファー・ヤング

久々のアメリカ映画。
なんといってもキャストが豪華。ジョン・キューザックにジーン・ハックマンにダスティン・ホフマン。
キャストが豪華すぎると、内容の方が置き去りになりがちだが、この面子はセンスあり。
原作がジョン・グリシャムの『陪審評決』ということもあって、脚本が結構しっかりしていた。
ジョン・グリシャムといえばデンゼル・ワシントンの出世作、『ペリカン文書』(1994)の原作者としてもお馴染み。

話の主軸はアメリカ裁判における陪審コンサルタント。
要は、裁判の決め手は陪審員の評決であり、この人たちをどう味方につけるのかという話である。
アメリカ社会において必然的な銃器問題を巡る裁判のさなか、裏で繰り広げられている様々な攻防、これが実に見物。
裁判(ここでは民事)をつくるのは、原告と被告だけではない。
今までの二項対立的裁判の構図を根底からひっくり返す。

絵として銃器会社についているやり手陪審コンサルタントの司令室がなかなか面白い。
ニューオリンズの片隅にあるボロ屋を奥に進むと、パソコンやらモニターが雑多に置かれた最新鋭の部屋が。
そこで様々な分野の専門家が陪審員を分析するというわけだ。

ダスティン・ホフマンがインタビューで「アメリカに陪審員制度が出来た時には、想像出来なかったことだろう。」と言っていたのが印象的。
陪審員制度とは?裁判とは?という根本的な問いを現代のアメリカ裁判の現状に投げかける。
決してリアリティがある映画とは言えないが、何かを考えるきっかけにはなる。
この映画、サスペンスとされているが、私に言わせればヒューマン・ドラマかな。
この後に『十二人の男たち』を見たら、いろんな意味で楽しめそう。
批評というよりは感想?



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