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2013年のGI開幕戦・第30回フェブラリーステークス(GI・ダート1600m 16頭立て)が17日、東京競馬場で行われました。「ダートのマイル王」を決めるこのレース、ニホンピロアワーズ、ローマンレジェンド、ハタノヴァンクールといったダート界のトップが不在の中、昨年の王者⑭テスタマッタ、2010年の勝ち馬⑥エスポワールシチーに加え、昨年のJBCスプリントを制した⑭タイセイレジェンド、JBCクラシック覇者⑩ワンダーアキュート、2011年ジャパンダートダービー馬②グレープブランデーといったダートGI馬が参戦。さらに昨年の3歳マイル王⑪カレンブラックヒルが、フェブラリーSでダート初挑戦。史上5頭目の芝&ダートGI制覇なるか。他にも⑦ガンジスと⑧イジゲンの4歳勢、③セイクリムズン、⑫ダノンカモン、④ナムラタイタン、⑯シルクフォーチュンといったベテラン勢、芝重賞3勝を誇る⑮ガルボも出走しました。
レース直前の単勝オッズは、1番人気カレンブラックヒル(3.3倍)、2番人気イジゲン(6.0倍)、グレープブランデーが3番人気(6.7倍)。4番人気以降はテスタマッタ(8.4倍)、ガンジス(9.0倍)、シルクフォーチュン(9.0倍)、ワンダーアキュート(9.2倍)と10倍以下が7頭もいて、まさに混戦模様でした。
芝コースからのスタートで、イジゲンが大きく出遅れ。先行争いではガルボが好スタートを切るが、すぐさまタイセイレジェンドとエスポワールシチーの3枠2頭がかわし、ダートに入ったところでタイセイが先頭を奪い、エスポワールが2番手追走。先行争いに加われなかったカレンブラックヒルは3番手に控える。4番手グループは①マルカフリート、ガンジス、ガルボの3頭が横並び。中団の7番手には内からグレブラ、外に⑨ヤマニンキングリー、真ん中にナムラタイタン。10番手にアキュートとダノンカモン、スタートで大きく出遅れたイジゲンが12番手まで上がり、⑬エーシンウェズン13番手。14番手テスタマッタ、15番手セイクリムズン、しんがりのシルクフォーチュンは末脚にかける。
3コーナーを回り、タイセイレジェンドが依然として先頭をキープし、エスポワール2番手、ブラックヒル、ガンジスも好位につけている。ガルボは大外に持ち出した。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、エスポワールシチーが残り400mでタイセイを抜いて先頭に立ち、その一方でカレンブラックヒルがずるずると後退。後続からマルカフリートやガンジス、グレープブランデー、大外からフォーチュンも追い上げる。残り200mでエスポワールが完全に抜け出したが、2番手に上がったグレブラが徐々に差を詰め、ラスト50m辺りでエスポワールを交わして、先頭でゴールイン!グレープブランデーが鮮やかに差し切り、2013年のダートマイル王に輝きました!
全着順&払戻金
1着②グレープブランデー 1分35秒1
2着⑥エスポワールシチー 3/4馬身
3着⑩ワンダーアキュート クビ
4着③セイクリムズン 3/4馬身
5着⑯シルクフォーチュン クビ
6着①マルカフリート ハナ
7着⑭テスタマッタ ハナ
8着⑫ダノンカモン 1馬身1/4
9着④ナムラタイタン 2馬身1/2
10着⑦ガンジス 2馬身1/2 6
11着⑮ガルボ クビ
12着⑧イジゲン クビ
13着⑬エーシンウェズン 1馬身3/4
14着⑤タイセイレジェンド ハナ
15着⑪カレンブラックヒル 6馬身
16着⑨ヤマニンキングリー 2馬身
単勝 ② 670円
複勝 ② 250円 ⑥ 600円 ⑩ 250円
枠連 1-3 6180円
馬連 2-6 10330円
馬単 2-6 17580円
ワイド 2-6 2990円 2-10 760 円 6-10 2000円
3連複 2-6-10 16150円
3連単 2-6-10 111130円
GI馬が6頭も参戦し、単勝一ケタ台が7頭もいた今年のフェブラリーステークスは、エスポワールシチーが直線で早めに抜け出し、史上初のフェブラリー2勝目がと思いきや、ゴール前でグレープブランデーが差し切って優勝しました。最後かわされて2着だったエスポワールシチーは、順位からすればベテラン健在をアピール。8歳になりながらも好走する辺りは、さすがスペシャリストともいえよう。レース後、競走中に鼻出血を発症ことが発覚。最後まで押し切れなかったのは鼻血が原因なのかも?
連覇を狙ったテスタマッタは7着、2番人気だったイジゲンは12着、ダート初挑戦のガルボは11着、1番人気だったカレンブラックヒルは15着に終わりました。中堅&ベテラン勢が上位に入り、世代交代を図る若手の4歳馬たちが2ケタ順位に沈みました。なお、このレースで3着に入ったワンダーアキュートが最後の直線で外側に斜行し、テスタマッタの進路を妨害。降着処分は下されませんでしたが、アキュートに騎乗した和田竜二騎手は開催2日間の騎乗停止処分。また、
優勝したグレープブランデーは、2011年のジャパンダートダービー以来となるGI2勝目で、JRA・GIは初勝利。鞍上の浜中俊騎手は、同レース初勝利で、自身のGI勝ちは2009年の菊花賞以来約3年ぶり2度目です。昨年は131勝を挙げてJRAリーディングを獲得しながらもGI未勝利。久々のGIタイトル奪取に喜びもひとしおでしょうねえ。管理する安田隆行調教師は、2011年のトランセンドに次いでフェブラリーS2勝目。トランセンドが年明けに引退した直後に、グレブラが安田厩舎のダート部門のエースになりました。今後は3月にドバイで行われるゴドルフィンマイル(GⅡ)を視野に入れており、すでに登録も済ましているとのこと。左回りの馬場で2連勝しているから、ゴドルフィンでも好走が期待されます。
史上5頭目の芝&ダートのダブルGI制覇が期待されていたカレンブラックヒルは、道中は3番手につけ、4コーナー辺りでは好位置にいたんだけど、最後の直線でズルズルと失速。最後は14着に6馬身差の15着と大敗してしまいました。経験不足もそうだけど、ダートをなめていたからこのような惨敗劇になったと思います。だいたいダート初挑戦でいきなりGIを走ること自体無謀なんですよ。クロフネとアグネスデジタルは本当にすごかったんだなあと改めて思いました。今後は安田記念が目標となるでしょう。芝マイルで一から、いやゼロかマイナスから出直しですね。
来週からは中山競馬場と阪神競馬場の春季開催が開幕。中山の24日のメイン・中山記念には、AJCCを制したダノンバラード、GI馬・リアルインパクト、ブエナビスタの弟・トーセンレーヴ、ナカヤマナイト、シルポートが登録しています。阪神では、高松宮記念の前哨戦・阪急杯が行われ、昨年のスプリンターズステークスと香港スプリントを制したロードカナロアが出走予定。久々の1400mと距離延長が気になりますが、GI2勝の貫禄を見せつけ、宮記念に弾みをつけられるか?カナロア以外にも、エピセアローム、サンカルロ、スギノエンデバー、フラガラッハ、マジンプロスパー、レオアクティブも登録しております。
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