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3歳牝馬三冠の最終戦・第22回秋華賞(GⅠ・芝2000m 18頭立て)が15日、京都競馬場で行われました。オークス馬・ソウルスターリングが不在の今年の秋華賞は、例年以上の混戦ムード。NHKマイルカップ覇者の①アエロリットは「変則2冠」に挑み、オークス2着④モズカッチャン、桜花賞2着⑦リスグラシュー、皐月賞に挑んだ⑯ファンディーナは最後の1冠を狙います。さらには桜花賞を制した⑫レーヌミノル、ローズステークスで波乱を起こした②ラビットランと⑧カワキタエンカ、⑭ディアドラ・⑱カリビアンゴールド・⑰ポールヴァントル・③ブラックオニキスの「紫苑ステークス組」も参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がアエロリット(3.6倍)、2番人気ファンディーナ(5.6倍)、3番人気ディアドラ(6.3倍)、4番人気リスグラシュー(7.0倍)、5番人気モズカッチャン(8.6倍)、6番人気のラビットラン(9.3倍)までが10倍を切り、その後はミリッサ、カワキタエンカ、⑬リカビトス、レーヌミノルと続きました。
スタートは少しバラつき、リスグラシューとディアドラは後方から。最初の先行争いで、カワキタエンカが思い切ってハナを奪い、ファンディーナが2番手につけ、アエロリットは3番手。レーヌミノルは5番手、モズカッチャンとミリッサは7,8番手。ラビットラン,リスグラシュー,ディアドラは中団より後ろの位置で正面スタンド前を通過した。
1,2コーナーを回って、向正面に入り、先頭はカワキタエンカ、2番手にアエロリットが上がり、ファンディーナが3番手。人気上位2頭が前に位置取っている。4番手⑤ブラックスビーチ、5番手モズカッチャン、6番手レーヌミノル、7番手⑥メイショウオワラ。内側8番手にラビットラン、9番手⑩タガノヴェローナ、10番手のところにリスグラシュー、その後ろの11番手にミリッサと続く。12番手集団にはカリビアンゴールド・ポールヴァントル・ブラックオニキスの3頭が並び、ディアドラが15番手。後方は⑨ハローユニコーン、リカビトス、⑮ヴゼットジョリーと続く。
縦長の展開で内回り3コーナーに差し掛かり、エンカが後続を離して先頭をひた走り、アエロがじっくり2番手、3番手ファンディの外からカッチャンがスパート開始。さらにはレヌミノとリスグラも好位に進出し、ラビット7番手。ディアドラは馬込みの中にいる。
4コーナーを回って最後の直線コースに入ったところで、モズカッチャンが先頭浮上。内を通るカワキタエンカも食らいつき、アエロリットも頑張る。4番手からリスグラシューも追い込む。その一方でファンディーナはズルズル後退。ゴール残り100mを切って、カッチャンが抜け出しにかかり、リスグラとディアドラが2番手を争い、ディアドラが外からリスグラとカッチャンをかわしてゴールイン!最後の1冠を制したのは、外から突き抜けたディアドラだ!
秋華賞 全着順&払戻金
1着⑭ディアドラ 2分00秒2
2着⑦リスグラシュー 1馬身1/4
3着④モズカッチャン ハナ
4着②ラビットラン 3馬身
5着⑧カワキタエンカ クビ
6着③ブラックオニキス
7着①アエロリット
8着⑪ミリッサ
9着⑰ポールヴァントル
10着⑬リカビトス
11着⑮ヴゼットジョリー
12着⑤ブラックスビーチ
13着⑯ファンディーナ
14着⑫レーヌミノル
15着⑨ハローユニコーン
16着⑥メイショウオワラ
17着⑩タガノヴェローナ
18着⑱カリビアンゴールド
単勝 ⑭ 630円
複勝 ⑭ 220円 ⑦ 190円 ④ 270円
枠連 4⃣-7⃣ 1,100円
馬連 ⑦-⑭ 1,510円
馬単 ⑭-⑦ 2,900円
ワイド ⑦-⑭ 570円 ④-⑭ 790円 ④-⑦ 750円
3連複 ④-⑦-⑭ 3,180円
3連単 ⑭-⑦-④ 14,760円
22回目にして初めてとなる重馬場でのレースとなった秋華賞は、単勝3番人気のディアドラが直線差し切って優勝し、秋の3歳女王に輝きました。2着のリスグラシューは、GⅠで3度目の2着惜敗。この馬はあと一歩のところが多いなあ。3着のモズカッチャンは、4コーナーを回ったところで早くも先頭に躍り出たけど、最後まで押し切れず…。ミルコ・デムーロ騎手がレース後に「落鉄があった」と話していましたが、それでも力強い走りを感じました。カッチャンもリスグラと同様「善戦マン」臭が漂う…。
ローズステークスを勝ったラビットランは4着、1番人気に推されたアエロリットは7着に敗れ、NHKマイルカップとの変則2冠はならず。2番人気だったファンディーナは直線で馬群に沈み13着、桜花賞馬のレーヌミノルは14着に終わりました。
GⅠ競走初制覇を果たしたディアドラは、前走の紫苑ステークスに続いての重賞連勝。2走前のUHB杯(8月13日@札幌)から3連勝でビッグタイトルを獲得しました。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は秋華賞初制覇で、今年のJRA・GⅠ競走4勝目。外国人ジョッキーがこのレースで優勝したのは初めてとなります。管理する橋田満調教師は、2007年の高松宮記念のスズカフェニックス以来、10年ぶりのGⅠ勝利。また、ディアドラの父であるハービンジャー産駒はGⅠ初勝利となりました。モズカッチャンが2着に入っていれば同産駒のワンツー決着になっていた…。
ディアドラは前半から中団より後ろのところを走り続け、3,4コーナー辺りでは馬群の内側にいました。しかし、直線で内側から外側に進路を変えると、ゴール前でモズカッチャンとリスグラシューを抜き去りました。春のクラシックでは桜花賞で6着、オークスでは4着と健闘し、UHB杯からの3連勝でGⅠ初勝利。この日の馬体重は、前走から+12キロの490キロ。2走前の時は466キロだったけど、2カ月の間に24キロの大幅UPですよ。実力も馬体重も成長著しいな。
3歳牝馬三冠が終わり、桜花賞はレーヌミノル、オークスはソウルスターリング、秋華賞はディアドラが勝利。アエロリットもNHKMCを勝っているので、最優秀3歳牝馬争いは混戦ムード。この後、ソウルスターリングが秋の天皇賞に挑み、エリザベス女王杯も控えています。もしソウスタが秋天を勝てば「最優秀3歳牝馬」に大きく近づくことになりますが…。
来週は牡馬3冠の最終戦・菊花賞があります。皐月賞馬のアルアイン、セントライト記念を勝ったミッキースワロー、同レース3着のサトノクロニクル、キセキ・ダンビュライト・サトノアーサーの「神戸新聞杯組」、右脚骨折からの復帰となるブレスジャーニー、新潟記念4着ウインガナドル、アドマイヤウイナー、ベストアプローチなどが登録しています。衆議院選挙と日程が重なるのはちょっとねぇ~。