

2023年も12月に入り、残り1か月を切りました。先週のジャパンカップではイクイノックスが文句なしの完勝でGⅠ6連勝を果たし、数日後に現役引退を表明しました。12月3日は中京競馬場で秋のダート王者決定戦・第24回チャンピオンズカップ(GⅠ・ダート1800m 15頭立て)が行われました。このレースには、今年GⅠ2勝の⑮レモンポップ、2年前の覇者⑤テーオーケインズ、帝王賞連覇②メイショウハリオ、昨年の3歳ダート王者⑩ノットゥルノ、JBCレディスクラシックを制した⑭アイコンテーラーのダートGⅠ馬、芝のGⅠを勝ったことがある③ジオグリフと⑤ドゥラエレーデ、さらにはデビュー5戦全勝の3歳馬⑫セラフィックコール、昨年2着⑨クラウンプライド、⑪ハギノアレグリアス、⑥グロリアムンディなども参戦しました。
単勝の人気は、1番人気レモンポップ(3.8倍)、2番人気セラフィックコール(4.2倍)、クラウンプライドが僅差で3番人気(4.4倍)。4番人気のテーオーケインズ(5.6倍)まで10倍以下で、その後はハギノアレグリアス、メイショウハリオ、アイコンテーラー、グロリアムンディと続きました。
正面スタンド前でのスタートで、ノットゥルノが少し躓き、セラフィックコールは後方から。最初のポジション争いで、①メイクアリープ、テーオーケインズ、レモンポップ、ドゥラエレーデが前を行き、レモンポップが先手を奪う。⑬ケイアイシェルビーが2番手につけ、ドゥラエレーデ3番手、テーオーケインズは4番手あたり。ジオグリフとクラウンプライドとグロリアムンディは中団につけ、ハギノアレグリアスとメイショウハリオは中団より後ろ、セラフィックコールは最後方で1コーナーを回った。
2コーナーから向正面に差し掛かり、レモンポップが先頭を走り、ドゥラエレーデ2番手、3番手ケイアイシェルビー。4番手集団にはテーオーケインズ・クラウンプライド・ジオグリフの3頭が並ぶ。7番手にグロリアムンディ、8番手メイクアリープ。中団勢は9番手ハギノアレグリアス、メイショウハリオ10番手、11番手アイコンテーラー、12番手ノットゥルノ。後方は13番手⑦ウィルソンテソーロ、セラフィックコールが⑧アーテルアストレアをかわして14番手に浮上する。
3,4コーナー中団のところで、レモン先頭、エレーデ2番手変わらず。ケインズは最内を走り、クラプラが外から進出。ハリオとムンディは中団馬群、セラフィックはまだ最後方あたり。ラストの直線でごぼう抜きなるか?
ラストの直線コースに入ってもレモンポップがまだ先頭。2番手からドゥラエレーデ、3番手からテーオーケインズが追いかけるが、レモンが止まらない!残り200mで、メイショウハリオが5番手に上がり、セラフィックコールは全然伸びで来ない。残り100mでレモンが後続との差を拡げ、ウィルソンテソーロが後方から一気に上昇し、ゴール前でケインズとエレーデをかわして2番手に上がるが、レモンポップが先頭でゴールイン!レモンポップが距離不安と大外不利を跳ね除けて見事な逃げ切り勝ち!
【チャンピオンズカップ 全着順】
1着⑮レモンポップ
2着⑦ウィルソンテソーロ
3着⑤ドゥラエレーデ
4着④テーオーケインズ
5着②メイショウハリオ
6着⑪ハギノアレグリアス
7着①メイクアリープ
8着⑩ノットゥルノ
9着⑧アーテルアストレア
10着⑫セラフィックコール
11着⑨クラウンプライド
12着⑬ケイアイシェルビー
13着⑥グロリアムンディ
14着⑭アイコンテーラー
15着③ジオグリフ
【払戻金】
単勝 ⑮ 380円
複勝 ⑮ 210円 ⑦ 1,820円 ⑤ 890円
枠連 4⃣-8⃣ 2,780円
馬連 ⑦-⑮ 29,040円
馬単 ⑮-⑦ 32,020円
3連複 ⑤-⑦-⑮ 469,320円
3連単 ⑮-⑦-⑤ 1,902,720円
ワイド ⑦-⑮ 8,660円 ⑤-⑮ 4,720円 ⑤-⑦ 29,790円
GⅠ馬7頭が参戦したチャンピオンズカップは、1番人気のレモンポップがスタートから先頭の座を譲らず、逃げ切り勝ち。今年2月のフェブラリーステークスに続き、同一年JRAダートGⅠ連勝を達成しました。2着には後方から猛追したウィルソンテソーロが入り、レモンの2番手を追走したドゥラエレーデが3着に粘りました。ウィルソンは12番人気、エレーデは9番人気と両馬ともに人気薄。3連単で190万円を超える荒れたレースとなりました。
ドゥラエレーデはホープフルステークスを14番人気で勝ち、その次のUAEダービーで2着、帰国後の日本ダービーでスタート直後に落馬、その後宝塚記念に参戦したり、チャンピオンズカップで好走したりとよくわからない馬ですね・・・。それにムルザバエフ騎手との相性が良いと思う。
その他、2年ぶりの王座奪還を狙ったテーオーケインズは4着、メイショウハリオは5着。2番人気のセラフィックコールは10着。前走のみやこステークスでは出遅れからの豪脚で1着になりましたが、この日は末脚が不発。GⅠのプレッシャーもあるし、左回りが得意ではないのかも。3番人気のクラウンプライドは11着。馬体重も大幅に増えたけど、調整ミスとしか思えない。どうしたんでしょうか。
優勝したレモンポップは、前走のマイルチャンピオンシップ南部杯に続いての連勝で、今年のGⅠ3勝目。鞍上の坂井瑠星騎手と、田中博康調教師、馬主のゴドルフィンはチャンピオンズカップ初勝利。同一年でのJRAダートGⅠダブル制覇は、2001年ウィングアロー、2011年トランセンド、2017年ゴールドドリームに次いで史上4頭目の快挙です。
1400mとマイラーで無双だから「ワンターンに強い」のイメージがあったので、「チャンピオンズカップ参戦」の発表があったときは正直驚きました。距離も1ハロン伸びるし、コースを1周するのも未経験。木曜日の枠順発表では大外枠に入り、不安面がさらに追加されました。しかし、終わってみれば完璧な内容での勝利。戦前の不安をあっさり一蹴しました。
初めての中距離戦で勝ったということで、来年の春は中東遠征はほぼ決定的。特に「ワンターン」のサウジカップは大いに期待が持てるし、勝てばドバイワールドカップ挑戦もあるでしょう。中東でウシュバテソーロ、デルマソトガケ、ミックファイアとの対決が実現するかなぁ?
中央のダートGⅠを連勝しているから、「JRA賞最優秀ダートホース」争いでレモンポップが一歩リードしていますが、今年はサウジカップを制したパンサラッサや、ドバイW杯優勝のウシュバテソーロもいます。ウシュバは12月29日の東京大賞典に参戦予定で、勝てば年間GⅠ3勝とレモンに並びますが、果たしてどうなることやら。