2014SUZUKI日米野球・親善試合が20日、沖縄セルラースタジアム那覇(那覇市営奥武山野球場)で行われました。強化試合では侍ジャパンが3勝2敗で勝ち越し。日本が3連勝した後、MLB選抜が2連勝と意地を見せました。最終戦となる親善試合は、初めてとなる沖縄開催。日米両チームの美技に会場が沸き上がり、地元の野球ファンも沖縄独特の指笛をたくさん鳴らしました。
両チームのスタメン
日本代表
1(中)柳田悠岐(ソフトバンク)
2(二)菊池涼介(広島)
3(右)糸井義男(オリックス)
4(左)中田翔(日本ハム)
5(指)内川聖一(ソフトバンク)
6(三)松田宣浩(ソフトバンク)
7(一)山田哲人(ヤクルト)
8(遊)今宮健太(ソフトバンク)
9(捕)伊藤光(オリックス)
(投)武田翔太(ソフトバンク)
MLB選抜
1(遊)エスコバル(ロイヤルズ)
2(二)アルトゥーベ(アストロズ)
3(指)モーノー(ロッキーズ)
4(三)ロンゴリア(レイズ)
5(一)サンタナ(インディアンス)
6(右)デューダ(メッツ)
7(左)カーター(アストロズ)
8(中)ファウラー(アストロズ)
9(捕)ビュテラ(ドジャース)
(投)サンティアゴ(エンゼルス)
1回、日本先発・武田が先頭のエスコバルを低めの直球を打たせるも、1塁に悪送球してしまう。続くアルトゥーベには遊撃内野安打を打たれ、無死1,3塁といきなりピンチを迎えます。そしてモーノーのセンター犠牲フライで、先制点を許した。ロンゴリアを三振に取って2死後、ヒットと四球で満塁とされたが、ファウラーを空振り三振に仕留め、立ち上がりのピンチを1点で切り抜けた。
日本は2回、1死から内川が四球で歩き、松田がライト前ヒットで1,2塁のチャンスを作る。2死後、今宮がMLB先発・サンティアゴの3球目を弾き返してセンター前タイムリーヒット。2塁から内川が生還し、日本が1-1の同点に追いつきます。
武田は2回以降も苦しいピッチングが続き、2回はヒットと2四球で再び満塁のピンチを背負うが、ロンゴリアを3塁ゴロに打ち取り0点に抑える。3回はヒットと四球の走者を出し、ファウラーに直球を狙われたが、レフトへ抜けそうな当たりを遊撃手・今宮が飛びつき、2塁フォースアウト!今宮の好プレーに助けられ、この回も0点で凌ぎました。
4回、日本は今宮がヒットを打つと、松田が3塁ゴロ併殺打かと思いきや、MLB三塁手・ロンゴリアが2塁悪送球。1死1,3塁と勝ち越しのチャンスで、山田が平凡なセンターフライで3塁走者タッチアップできず。しかし、中堅手・ファウラーが1塁へ大暴投。それを見て3塁走者が生還。メジャーのエラー連発で日本が2-1と勝ち越します。
5回、MLB選抜は和田毅(カブス)が2番手で登板。日本は先頭の菊池が初球を打ち返してライト前ヒットで出塁。続く途中出場・丸佳浩も初球を捉え、ライトオーバーのタイムリー3塁打。1塁から菊池が一気に生還。広島コンビが和田を攻略し、日本が1点を追加します。1点を失った和田でしたが、その後は中田、坂本勇人(巨人)、松田を抑える。
2点を追うMLB選抜は、5回裏に先頭のロンゴリアが日本2番手・松葉貴大(オリックス)の3球目をジャストミート。レフトスタンドへのソロ本塁打で3-2と1点差に詰め寄ります。さらにこの後、サンタナ四球、デューダのヒット、ビュテラ四球で2死満塁と同点または逆転のチャンスを作ったが、エスコバルが1塁ゴロに倒れて3社残塁。7回にはデューダとファウラーのヒットで1死1,2塁とするも、後続が凡退して同点ならず。
日本1点リードで迎えた8回、松田がライト線への2塁打を放つと、山田の代打・銀次(楽天)が四球を選ぶ。無死1,2塁で今宮が送りバントを試みるも3塁アウト。1死1,2塁で小林誠司(巨人)がバントを決めて2死2,3塁とチャンスを拡げ、柳田がMLB5番手・チョート(カージナルス)の4球目を叩き、詰まりながらもセンター前タイムリーヒットで2点追加。なおも2死1塁で菊池が右中間を破るタイムリー3塁打。2死から1,2番の連続タイムリーが生まれ、日本はこの回3点を追加し、6-2とします。
4点差とされたMLB選抜は、8回に無死2塁でモーノーがセンター前ヒット。2塁走者アルトゥーベが本塁を狙い、中堅手・丸が好返球を見せるも、本塁クロスプレーはセーフ。モーノーのタイムリーヒットで1点を返す。9回にはエスコバルの犠牲フライでさらに1点取るも反撃はここまで。試合は6-4で日本が勝利しました。
日米野球親善試合 2014/11/20(木)
MLB-日本 (那覇、18:09、17,941人)
JPN 010 101 030 6
MLB 100 010 011 4
【投手】
(日)武田、松葉、西勇輝(オリックス)、岩田稔(阪神)、西野勇士(ロッテ)-伊藤、小林
(M)サンティアゴ、和田、ウッテン(ブリュワーズ)、ベラス(アストロズ)
チョート、モラレス(ロッキーズ)-ビュテラ、クラーツ(ロイヤルズ)
【責任投手】
(勝)武田
(S)西野
(敗)サンティアゴ
【本塁打】
(M)ロンゴリア1号ソロ(5回、松葉)
今年の日米野球のラストを飾る親善試合は、広島と福岡ソフトバンク勢が活躍を見せ、侍ジャパンが6-4でMLB選抜を下しました。メジャーもロンゴリア選手のソロ本塁打が出れば、終盤に2点を返して意地を見せましたが、あと一歩およばず。和田投手も登板し、2イニングを投げて1失点の内容でした。
ホークス勢は、今宮選手が3安打1打点の猛打賞。2回の打席で同点タイムリーを打つと、6回の第3打席では和田投手からセンター前ヒットを放ちました。松田選手は2安打のマルチヒット。大会MVPを受賞した柳田選手は、4打席凡退の後の8回に貴重な2点タイムリーヒット。今シリーズは猛打賞2回、6試合で6打点と大暴れでした。先発マウンドに上がった武田投手は、3回まで毎回走者を出し、2度満塁の走者を背負いましたが、初回の犠牲フライによる1失点に抑えました。大量失点の可能性もあっただけに、リズムが悪いながらもよく踏ん張りました。
広島勢は「キクマルコンビ」が躍動。菊池選手は走攻守に渡り勝利に貢献。守備では4回にアルトゥーベの高いバウンドを捕ると、そのままグラブトスで1塁アウトにしました。打撃でも8回にタイムリー3塁打で打点1をマークしています。丸選手は3回の守備から登場し、5回には3点目となるタイムリー3塁打を放ちました。
これで日米野球は全ての日程が終了し、強化&親善の6試合で侍JAPANが4勝2敗と勝ち越しました。日本がメジャーに勝ち越したのは、1990年以来24年ぶりだそうです。次回の日米野球では、田中将大投手やダルビッシュ有投手といった日本人プレーヤーに出てほしいなと思っています。今後に向けての課題もあるけど、来年台湾で行われる国際大会「WBSCプレミアム12」、2017年の「WBC(ワールドベースボールクラシック)」に向けて視界良しといってもいいかも。世界一奪還へ、侍JAPANの挑戦はこれからも続く…。