3月7日に開幕した2009年のJ1も遂に最終節を迎え、優勝争いは鹿島アントラーズと川崎フロンターレの2チームに絞られました。5日の第34節は両チームともアウェーでの試合、首位・鹿島は浦和レッズ、2位の川崎は柏レイソルと対戦しました。最終節で鹿島が勝てば史上初の3連覇、川崎が勝ち鹿島が引き分け以下なら、逆転Vで悲願の初タイトルとなりますが、結果はどうなったのでしょうか…?
柏レイソルVS川崎フロンターレ@日立柏サッカー場
逆転Vへ諦めない川崎、格下の柏に快勝して鹿島の結果を待ちたいところ。対する柏は前節でJ2降格決定、最後に意地を見せたい。
前半は序盤から川崎が優位に進め、開始6分に村上祐介がミドルを狙うが、GKにセーブされる。18分に柏がチャンスを作り、左サイドのクロスにフランサが合わせますが、川崎GK・川島永嗣がファインセーブ。川崎はカウンター攻撃を見せるもなかなかゴールが奪えず。迎えた前半30分、ペナルティエリア内で森勇介が倒されてPK獲得。このPKをジュニーニョがしっかり決めて1点を先取。39分には寺田周平が前線へロングボールを蹴り込むと、鄭大世がGKと競り合った後に押し込んで2点目。その僅か1分後、相手GKのクリアミス→レナチーニョクロス→こぼれ球を中村憲剛が右足で3点目。川崎はこの10分間で3点のゴールラッシュ、前半は3-0で折り返します。
浦和レッズVS鹿島アントラーズ@埼玉スタジアム2002
3連覇に王手をかけている鹿島、大アウェーの中での最終節もきっちり勝って3連覇なるか?対する浦和は、今季限りで退団する田中マルクス闘莉王がレッズでのラストマッチに臨みます。
浦和は開始5分、FKを闘莉王が直接狙ってくるが、鹿島GK・曽ヶ端準がセーブします。対する鹿島はFKから中田浩二が飛び込んでゴールネットを揺らし先制かと思われましたが、オフサイドの判定でノーゴール。序盤は浦和がチャンスを作る機会が続きますが、鹿島守備陣がゴールを許さず。20分過ぎにようやくリズムを取り戻し、40分過ぎから波状攻撃を見せます。まずマルキーニョスが相手ボールを奪い、野沢拓也がミドルを狙うもGKにセーブされる。更にその後、野沢がロングを狙うもまたGKがパンチング、こぼれ球をマルキーニョスが狙うも決まらない。42分、CKから興梠慎三が頭で合わせますが、ポストに直撃してしまう。結局前半は両チーム無得点で終了。
前半終了時点で、鹿島はスコアレス、川崎は3-0でリード。このまま終わった場合、川崎と鹿島が勝ち点64で並び、得失点差で川崎の優勝が決まります。残り時間は45分、最後に笑うのはどっち?
柏VS川崎は、後半に入り波乱の展開が待っていました。川崎は前半の勢いをそのままに試合のリズムを作り続ける。後半12分、憲剛のスルーパスにレナチーニョが狙うもGKにキャッチ。後半15分、柏の小林祐三が2枚目の警告で退場処分。
後半20分過ぎてから柏ペース、藏川洋平がエリア内で倒されてPKを獲得し。フランサが決めて1点を返す。1点を返された川崎はカウンターからジュニーニョが狙うも4点目ならず。後半34分、またもフランサに決められ3-2、3点差あったリードが1点差にまで迫られる。
柏の猛攻が続く中、後半40分に鄭大世が相手のタックルで倒される。タックルした柏の杉山浩太は退場。川崎は最後まで柏の反撃を凌いで試合終了。3-2で勝利し、勝ち点3を獲得した。
一方、浦和VS鹿島は、開始直後に浦和は阿部勇樹がシュートを放ちますが、枠を捉える事が出来ない。鹿島は後半10分にCKのチャンスを作るが、闘莉王がクリアする。後半15分、マルキーニョス→野沢と繋ぎ、野沢のクロスに小笠原が合わせるもシュートを決める事が出来ない。決定的なチャンスをモノにできず。0-0で迎えた後半21分、鹿島は内田篤人のクロス→興梠のダイビングヘッドが決まりゴール!待望の先制点が生まれて3連覇へ大きく前進!
しかし、1点を先取された浦和が猛反撃に出ます。後半25分に阿部がヘディングシュート、36分には闘莉王が飛び込み、ヘディングを見せるがGKの正面。ロスタイムには右サイドのクロスに闘莉王→ポンテと繋ぎ、エスクデロが狙うも鹿島DF・岩政大樹が足を伸ばして阻止。鹿島は最後まで浦和の猛攻を守り抜きタイムアップ!1-0で勝利をおさめ、3年連続7回目の優勝を決めました!
鹿島アントラーズがJリーグ史上初の3連覇を達成、川崎フロンターレは勝利するも2年連続の2位でリーグ戦を終えました。やはり今年も鹿島は強かったですねえ。オリヴェイラ監督は5日が59歳の誕生日、その日に3連覇を達成できたので、人生最高の誕生日になったんじゃないかと思います。来季はリーグ戦での4連覇&ACL初優勝を目指す鹿島、黄金時代はまだまだ続くかもしれません。
2位の川崎はまたも初タイトルを逃してしまいました。前半で3点取った時は「もしかしたら…」というような期待感もあったんですが、鹿島が先取点を取った後に2失点。試合後に鹿島勝利を知った選手たちは落ち込んでいた様子。中村憲剛、川島英嗣、寺田周平の代表クラスの選手、チョンテセ、ジュニーニョ、レナチーニョの攻撃陣と素晴らしい選手がいるのに、どうしてもタイトルが取れない…。タイトル獲得の可能性は天皇杯のみ、今度こそ無冠返上なるか…。
その他7試合の結果
ガンバ大阪2-0ジェフ千葉@万博記念競技場
前節の鹿島戦で大量5失点を喫し、優勝戦線から脱落したガンバは、前半28分に遠藤保仁のFKで先制すると、後半13分にはコロコロPKで2点目。遠藤の2ゴールでジェフに勝利。ジェフ千葉は今季最下位でシーズン終了、来年はJ2で出直しです。
モンテディオ山形0-0横浜Fマリノス@NDソフトスタジアム山形
昇格1年目で残留を決めた山形は、最終戦で横浜と対戦。しかし序盤から横浜に試合のペースを握られるが、堅い守りで失点を許さず。攻撃陣は少ないチャンスも得点に結びつかずスコアレスドロー。J1デビューイヤーは15位で終えました。試合後のセレモニーでは「スポーツ山形21」の理事長が「断トツの最下位予想されていたチームが15位です。ざまあみやがれ!」と絶叫。来年はさらなる飛躍を期待しています。
大分トリニータ1-1大宮アルディージャ@九州石油ドーム
昨年の4位から一転、今季は悲惨すぎる低迷でJ2に降格した大分ですが、降格後は3連勝となぜか好調。遅すぎるだろ…。対する大宮はアウェーで勝ち点3、順位を上げておきたいところだ。試合は前半22分に大宮は土岐田洸平のミドルで1点を先制。しかし後半25分、大分は高橋大輔が押し込んで同点に。試合は1-1のドロー。
清水エスパルス0-0名古屋グランパス@アウトソーシングスタジアム日本平
一時は首位に立ちながらも終盤で5連敗と失速した清水。最終戦の東海ダービーで久々の勝利を飾りたいところだったんですが、結果は両チーム無得点で引き分け。清水は7位、ACLベスト4の名古屋は9位という結果に終わりました。
ヴィッセル神戸1-1ジュビロ磐田@ホームズスタジアム神戸
現在リーグ得点ランク1位である前田遼一(磐田)、最終戦でゴールを決めて得点王を決める事ができるか?気になる試合ですが、前半34分にロングボールのこぼれ球から大久保嘉人が決めて神戸が先制。ホームでの最終戦で白星を飾れるかと思いましたが、後半17分に磐田はイ・グノのヘディングが決まって同点に。前田選手はこの試合ゴールを奪えませんでしたが、シーズン得点王決定。
サンフレッチェ広島4-1京都サンガ@広島ビッグアーチ
今季J1に復帰した広島、最終戦はゴールラッシュ!前半8分に李漢宰のボレーのこぼれ球を佐藤寿人が押し込んで先制すると、42分に盛田剛平が2点目を挙げる。後半に1点を返されるも、槙野智章と寿人のゴールで2点を追加。今季限りでの退団が決まった李漢宰が3得点に絡む活躍を見せ、4-1で快勝。4位という結果は上出来といえよう。
アルビレックス新潟1-1FC東京@東北電力スタジアムビッグスワン
東京は前半12分に中村北斗のゴールで先制。このまま逃げ切れるかと思われましたが、後半終了間際に新潟は松尾直人が同点ゴール。FC東京、手中に収めていた勝ち点3がするりと落ちた…。
というわけで、9か月に渡って繰り広げられた2009年のJ1は、鹿島3連覇で幕を閉じました。埼玉の2チームは、フィンケ体制になった浦和は6位、大宮アルディージャは13位でした。上位3チームに与えられるACLの出場権は、鹿島、川崎、ガンバ大阪が獲得しました。天皇杯優勝チームに最後の1枚が与えられますが、結果次第では4位・広島にも出場権獲得の可能性あり?
得点王には20得点を挙げたジュビロ磐田の前田遼一選手に輝きました。日本人選手の得点王は2002年の高原直泰選手以来7年ぶり、史上5人目の快挙となりました。来年はゴン中山がつけていた背番号9を継ぐと思うし、代表でも存在感をアピールしてくる事でしょう。得点ランキングのベスト10には、日本人選手が5人も入っており、佐藤寿人と石川直宏選手が15得点、岡田JAPANのエース・岡崎慎司選手は14得点、横浜の新人選手・渡邉千真選手は13得点、1年目からエースストライカークラス、新人王はほぼ決まりでしょう。トップ10から漏れた興梠選手は12得点でした。
来週は天皇杯の準々決勝が各地で行われます。注目は2冠を目指す鹿島と前回優勝・ガンバ大阪の直接対決。この一戦は事実上の決勝戦といっても過言ではない。今年のガンバは鹿島に3戦全敗、4度目の対戦で勝利なるか?川崎はJ2優勝のベガルタ仙台と戦います。早くも2010年の前哨戦が始まるのかい?仙台はJ1勢を破って勢いに載ってるけど、川崎がJ1の意地を見せられるか気になります。リーグ戦の次は天皇杯、ベスト4に勝ち進むのはどこなのか?